大迫、ラスト国立で国立男がアピールだ
「キリンチャレンジカップ、日本-ニュージーランド」(5日、国立)
サッカーのW杯開幕まであと100日に迫り、日本のワントップ戦争が激化する。日本代表は3日、都内で、W杯イヤー初戦となる国際親善試合・ニュージーランド戦へ向けた合宿を開始した。ワントップでの先発有力候補だったFW柿谷曜一朗(24)=C大阪=が発熱で離脱。FW大迫勇也(23)=1860ミュンヘン=が定位置確保へチャンスを迎えた。追加招集されたFW豊田陽平(28)=鳥栖=とFW枠を激しく争う。
指揮官の期待が表れた光景だった。練習では大迫と豊田、FW工藤の3人がザッケローニ監督に呼ばれ、クロスの入り方や動き方の指導を受けた。柿谷不在は、3人にとってはチャンス。特に昨年の東アジア杯以後、ワントップを争った大迫にはまたとない機会だ。
宿舎でも柿谷と会っていないという大迫は「残念なこと」とライバルの体調を気遣った。「僕は僕なんで、ゆっくりマイペースに頑張る」とわが道をいくつもりだが、「点を取って、まわりの連係もいいところを見せなきゃ」と、自分に高いハードルを課した。
ワントップ争いは柿谷が一歩リードしていたが、昨年11月の欧州遠征では大迫がオランダ戦で得点を決めるなど、存在感を増してきている。5月上旬のW杯代表発表前としては最後の試合。活躍すれば、立場が替わる可能性は高い。
大迫にとって、国立はげんがいい。鹿児島城西高時代は高校選手権の決勝でゴールを奪い選手権記録の10得点をマーク。鹿島でも11年ナビスコ杯決勝で優勝を決める得点を挙げ、天皇杯優勝も経験した。
「高校時代は(準優勝で)悔しかったけど、国立はいい思い出しかない」という最高の舞台で、W杯へ最後のアピールができることは追い風。海外組としては初の代表戦だが、「時差ボケはない。(強行日程は)サッカー選手にとっていいこと」と体調も万全だ。
現在の国立における代表戦の締めくくり。最後の国立男になって、ワントップ戦争に打ち勝つ。