勝ち点剥奪か無観客試合…浦和に厳罰も

 サポーターがまた問題を起こしたJ1浦和に対し、Jリーグが最大15点の勝ち点剥奪か無観客試合という史上初の厳罰を検討していることが11日、分かった。問題視されたのは8日の鳥栖戦(埼玉)で、浦和サポーター席へ入るゲートに「JAPANESE ONLY」の横断幕が掲げられたこと。Jリーグは浦和に報告を求めているが、Jリーグ規約に差別的行為撲滅が明記されていることに加え、サポーターが過去にトラブルを連発しているのを問題視。厳罰も視野に入れている。

 「もう、お金(制裁金)で済む問題じゃない」。サポーターがまたも問題を起こした浦和に対して、Jリーグのある関係者は、制裁金ですまさず、さらに踏み込んだ罰則をクラブに科す考えを示した。

 問題となった鳥栖戦の「JAPANESE ONLY」と書かれた横断幕。これは、日本人以外お断りと解釈することもできる。Jリーグ規約の第3条4項に差別的行為の撲滅が明記されている。事態を重く見たJリーグは、すぐに浦和に報告を求めた。10日は浦和の淵田敬三社長がJリーグを訪れて村井満チェアマンに謝罪し、調査結果の報告もした。だが、内容が不十分として、村井チェアマンは今週中の再報告を命じている。

 浦和サポーターは過去に再三トラブルを起こしてきたばかりでなく、昨年8月24日のアウェーの清水戦では、浦和サポーターを乗せたバスから、爆竹、発炎筒、ロケット花火などを清水の選手を乗せたバスに投げつける威嚇行為があり、4人の逮捕者が出た。

 昨年の清水戦での騒動では、浦和に制裁金1000万円の処分が下されている。ただ、このときは浦和の再発防止確約を信じて制裁金にとどめた部分もある。制裁金以上に重い処分として、最大で15点の勝ち点剥奪か、無観客試合を視野に入れているもようだ。このような処分が下されれば、史上初となる。

 今週中の浦和の再報告を待った上で、村井チェアマンは来週、裁定委員会を開催し、浦和への処分を決める予定だ。

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