フォルラン、W杯へザック日本に直言

 フォルランからザック・ジャパンへの直言‐。10年W杯南アフリカ大会でMVPと得点王に輝いたウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン(34)が、大阪市此花区で報道陣の共同インタビューに応じた。W杯ブラジル大会まであと2カ月。今季からJ1・C大阪に加入した世界的名手が日本代表について、チームメートとなった日本代表FW柿谷曜一朗(24)について語り尽くした。(インタビューは3月27日)

 ◆チーム合流約2カ月。3月23日のアウェー鹿島戦では待望のJ初ゴールも挙げた。

 ‐Jリーグや日本サッカーの印象、また改善すべき点は。

 「全てにおいていい印象。スタジアムは素晴らしいし、試合のレベルも高い。(改善点を)挙げるとするなら、欧州ではピッチを試合前に濡らしており、ボールスピードが上がってスピーディーな展開になる。日本の試合ではボールが予想以上に転がらず、選手にブレーキが掛かってしまうシーンが時々ある」

 ‐フォルランを獲得した理由の一つに、柿谷にフォルランのような選手になって欲しいクラブの願いがあった。柿谷と似たような選手とこれまでプレーしたことはあるか?

 「曜一朗は曜一朗であるべきで、誰かのような選手になって欲しい、ならなければいけないという考えはない。曜一朗は昨年たくさんのゴールを決めた。今年は(リーグ戦で)決めていないが、チームのためにゴールを決めて勝利を積み重ねるということを、彼となら絶対にやっていけると確信している」

 ‐柿谷や山口は欧州でも通用する選手か。

 「もちろんだ。彼らだけでなくクオリティーが高く、可能性を持った選手は他にもいる。後は彼ら次第。成長し続けること、ハードに戦い続けることだ。代表も含めて経験を積むこと。そして練習、試合を楽しむこと。彼らが欧州で活躍する可能性は十分ある」

 ◆MF香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)は出場機会を増やしているとはいえ、今季はまだ公式戦無得点。MF本田圭佑(ACミラン)は7日のジェノア戦で待望のセリエA初ゴールを挙げたが、日本代表のダブルエースは欧州で苦戦を強いられている。

 ‐ビッグクラブでプレーする難しさは。

 「実力的にレベルが高くても、試合に出ることで初めて実力を示すことができる。香川は出場した試合では活躍しているが、限られたチャンスしか与えられていない。本田の右サイドは本来のポジションではないのかもしれない。もう少し中央、センターフォワードに近いところでプレーさせるべきではないか。彼らは今、本来の実力を出しづらい状況に置かれている。誰しも慣れるための時間が必要だが、持っているクオリティーは今まで示してきている」

 ◆昨年8月にはウルグアイ代表として日本と対戦。2得点を挙げて勝利に貢献した。日本代表の可能性についてフォルランはどう考えているのか。

 ‐日本代表の良い部分、物足りない部分は。

 「経験と技術を持った選手はいる。ただ、ウルグアイや他の国にもいえることだが、W杯はまず、1次リーグ突破を意識して戦うことが大事。1次リーグを突破することができれば、その後は一発勝負なのでいろんな要素が関わってくる」

 ‐日本代表は決定力不足とよくいわれる。ゴールを決めるために一番必要なことは。

 「まずクオリティーがあるかないか、そこは大きなところ。小さい時からゴールを決める能力を持っているか。そういったものに磨きをかけられるかだ」

 ◆8日のオフには家族らと京都観光に出掛けた。金閣寺と清水寺を訪れ「素晴らしく美しかった」と感激した様子。敬愛する日本の躍進を、フォルランは心から願っている。

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