徳島初星 単独ワースト10連敗回避
「J1、甲府0-1徳島」(29日、中銀スタ)
J1初挑戦で開幕から9連敗を喫した徳島が甲府を1‐0で破り、初白星を挙げた。C大阪は大宮と1‐1で引き分けた。鹿島が清水に2‐1で競り勝ち、首位を堅持。広島は鳥栖を2‐1で下し、2位に浮上した。神戸は新潟と1‐1で引き分けて3位。G大阪は柏に1‐2で逆転負けした。
現行の90分間制でワーストに並ぶ開幕9連敗を喫した徳島が、四国勢のJ1初勝利をもぎ取った。決勝点のDF橋内は終盤、涙を抑えるのに必死だった。「僕のミスで負けた試合もあった。苦しかった。あと少しで勝てると思うと、こみ上げてきた」。まだ終わっていないと言い聞かせ、涙腺の緩みと猛攻に耐えた。
後半28分、唯一の決定機をものにした。橋内はインターセプトして右にはたき、ゴール前へ。こぼれ球に前節で負傷して4針縫った右足を伸ばした。
「傷が開いても、また縫えばいい」。腹を据えて打つと、狙いと逆の右に飛ぶ。執念が宿った一発は、GKの意表も突いてネットを揺すった。
J1で活躍した選手が少なく、スピードに慣れるのに時間を要した。小林監督は「思った以上に厳しい初勝利。ぶれずに、痛い目に遭っても前を向いてやっている」と吐露した。前線の組み合わせを変え、3バックも試しながら「めげずに、できていることも認めながら過ごした2カ月」が10戦目で花開いた。
10勝10分け14敗の勝ち点40での残留が目標だ。厳しい出だしになったが「これがスタート」と主将の斉藤。敵地で涙とともにサポーターと分かち合った勝利を、次はホームで飾りたい。