【W杯特集3】柿谷「ブレずにやらな」
【SAMURAIの素顔3・柿谷曜一朗】
C大阪の日本代表FW柿谷曜一朗(24)がこのほど、大阪市此花区のクラブハウスで報道陣のインタビューに応じた。運命のW杯ブラジル大会メンバー発表まであと10日。メンバー入りが有力視されているものの、今季はここまでリーグ戦10試合無得点と苦しんでいる。選出されれば自身初となることはもちろん、C大阪の育成組織出身選手としても初めてとなるW杯。柿谷の懸ける思いを聞いた。
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‐ブラジルW杯の日本代表メンバー発表が迫っている。
「近づいてきているのは感じるけど、メンバーに選ばれた訳じゃない。あまり考えずに、毎日を全力でやるだけ。代表のためにセレッソで試合をしてコンディションを整えている訳ではない。優勝したいからやっているだけで、たとえ1週間後に迫ろうが、チームの試合が一番大事」
‐先月の代表候補合宿(4月7~9日、千葉県内)に招集されなかったことで、W杯当確との見方もある。
「ザッケローニ監督が言っていることでもなければ、その意見が確定したものではないので、僕には関係ない。(Jリーグにも)いいFWがたくさんいるので、誰が出てもいいパフォーマンスは出せると思う。でも、やるからには一番に出たいという思いもある。気持ちだけじゃ誰も認めてくれへんから、まずはチームで目に見える結果を出したい」
‐選ばれれば自身初めてとなるが、W杯の位置付けは。
「現実的に考えだしたのは去年代表に入ってから。世界で一番の大会を、このチームで一緒に戦いたいと思ったし、日本を代表して戦うということもよく分かった。それを自分の力にして、みんなに喜んでもらいたいし、それを一番証明できる舞台やと思う」
‐C大阪からは02年日韓大会の森島寛晃、西沢明訓の両氏以来、育成出身選手としては初のW杯となる。
「それで残ったんで。セレッソにお金を残せる形で移籍したいなんて一言も言っていません。セレッソからW杯に行きたいから残っただけ」
‐チームには10年南アフリカW杯でMVPと得点王に輝いたFWフォルランが加入した。フォルランから学ぶ部分は。
「いいところを盗もうというのは悪い話じゃないけど、自分に自信があるんやったらそれをする必要はない。ゴール前での落ち着きとかは経験もあるし、見習うというより自分もそこは冷静にしたいと思う。こうやってシュート打った方がいいとか、こうやろって言ってくれますけど、そこで『そうですよね、フォルラン』ってなっていたら、サッカー辞めますよ」
‐背番号8を背負って2年目。
「昨年は思っていたよりも苦しくないシーズンやった。今シーズンは、しんどいシーズンになるやろなと思っていた。だからこそやりがいもあるし、どんだけ言われようが、ブレずにやらなあかん時やと思うし、こういう自分に勝っていかないと大きくなられへんと思う」(インタビューは4月13日)