「Ｊ１、広島１-１清水」（１０日、Ｅスタ）

　ラストアピールだ。１２日の代表発表を控えて日本代表ザッケローニ監督が最後の視察を行った一戦。広島ＤＦ塩谷司（２５）が得点力を見せつけた。

　０‐０の前半１４分の右ＣＫ。ゴール前で相手ＤＦのクリアボールに素早く反応し、右足ボレーでゴールネットを揺らした。今季は対人プレーの強さに加えて高い得点力も発揮する。ＤＦながら５得点目。エース佐藤を抜きチーム得点王だ。

　４年前のＷ杯南アフリカ大会の時は国士舘大の４年生だった。Ｊ２水戸に入団し、１２年途中に広島へ移籍。昨季から３バックの右のレギュラーとなりＪ１２連覇に貢献した。今年４月に千葉で行われた日本代表候補合宿に初招集され、夢舞台の扉に手を掛けた。

　「（選ばれる可能性は）５％くらい。次の試合（１４日・ＡＣＬウェスタンシドニー戦）に集中したい」。メンバー入りへ厳しい状況は理解している。それでも指揮官の前で見せた勝負強さは本物だ。サプライズ選出を信じ、運命の時を待つ。