主将・本田の新体制は不発…王様捨てた
「キリンチャレンジカップ、日本0-2ウルグアイ」(5日、札幌ド)
新体制の初陣に、キャプテンマークを巻いた本田圭佑(28)=ACミラン=は右FWでフル出場。惨敗に終わったブラジルW杯以降、自己改革の必要性を口にしていたが、結果は出せなかった。
右FWに鎮座した金狼が放った輝きは、期待に比べるとどこまでも乏しいものだった。主将として90分間プレーしたFW本田だったが、その存在感は希薄だった。
むなしい空砲が壁に阻まれる。後半6分、36分に迎えた好位置での直接FK。縦にこすり上げるドライブ回転の弾道を狙っていたが、ウルグアイDF陣の頭を越せず。アギーレ監督が求める守備に奔走する場面もあったが、FWとしての“怖さ”は皆無だった。
新たな自分を必死に探している。今体制での主戦場となりそうな右FWには「前向きに取り組んでいけている」と受け入れる。トップ下で“王様”として君臨していた前体制でのプレーも「捨てる?そうですね。それはできつつあるんですけど、まだ体が覚えている部分もある。そこを頭の中で整理したい」。新たな本田圭佑を作り上げる作業は、まだまだ途中段階だ。
それはチームに対しても同じ。「ボールに触りたい思いを押し殺して、前線にいようとした。(結果が出せず)僕もダメでしたけど、中盤や後ろにパートを任せることで成長につながるし、責任感が芽生える。そこはW杯までと大きく違うところ」と成長を促しているという。
アギーレ監督から託されたキャプテンマークについても、こだわりはないという。6月のコスタリカ戦以来の主将だが「マコ(長谷部)がいればマコがふさわしい」。そして「主将になると(チームを代表してコメントするなど)いろいろ義務も生じる。僕は自分のパッションを大切にしたいんで」。ロシアに向けて“パッション本田”の求道(ぐどう)の旅が始まった。