アギーレ日本無残…ネイマール圧巻4発
「国際親善試合、日本0-4ブラジル」(14日、シンガポール)
日本はブラジルに0‐4で敗れた。相手エースFWネイマール(22)=バルセロナ=に前半18分の先制点を皮切りに、4得点を許しての大敗。世界との差をまざまざと見せつけられた格好だが、初勝利を挙げたジャマイカ戦(10日)から先発6人を入れ替え、若手主体の先発で臨んだハビエル・アギーレ監督(55)は、来年1月のアジア杯(オーストラリア)に向けて選手選考面での収穫も口にした。
王国のカナリア軍団を、わずかな時間だけでも本気にさせることすらできなかった。ブラジル代表になすすべなく0‐4の大敗。「敗戦で喜ぶことはないが、試合後のロッカーで選手が力を出し尽くした姿を見られた。それは良かった」。アギーレ監督は前を向くが、これが世界における日本の立ち位置だ。
指揮官は、良くも悪くもぶれなかった。前日会見では、ブラジル戦を「アジア杯に向けた選考が一番」と語り、初勝利のジャマイカ戦から先発6人を入れ替えた。勝利を追求する姿勢も求めていたと強調するが、現状の最強メンバーでの力試しではなく、世界屈指の強豪国を個々の資質を見極めるために“テストの教材”として使用した形だ。
もちろん、それ相応の“対価”は得た。MF柴崎や、DF太田や塩谷といった国内組にとっては、世界トップクラスの選手と対峙(たいじ)する、貴重な経験となった。22歳の柴崎が「(自らの)成長速度が並大抵では僕の現役中には対応できない」と衝撃を受けたことを語れば、塩谷も「正直、全然レベルが違った。これが世界かと思った」。ブラジルも日本と同様にW杯後に再出発したチーム。さらには北京でのアルゼンチン戦から、日本よりもタイトな中2日で迎えた一戦。すべての面で格が違った。
ブラジルのようなトップクラスの相手と強化試合を組める機会は4年間のサイクルであっても決して多くはない。アギーレ監督は「わたしにとって非常に重要な試合だった。逆境での選手をみることができた」と収穫を口にするが、この90分間の体験を選手、監督それぞれが今後の代表チームに還元できなければ、世界との差は縮まらない。