山形がJ1復帰!石崎スタイルで開花
「J1昇格プレーオフ・決勝、千葉0-1山形」(7日、味スタ)
J2で6位の山形が3位の千葉を1-0で下して4季ぶりのJ1復帰を決めた。引き分けると年間順位の上位クラブが勝者となる規定で、勝つしか道のない山形は、前半37分にFW山崎雅人(33)がヘディング弾を決め、これが決勝点となった。千葉は3年連続で昇格プレーオフで敗退。6季ぶりとなるJ1昇格をまた逃した。
青と白の戦闘服をまとったイレブンは、さながら光り輝く強固な一枚岩だった。サボらず、立ち止まらず、怖がらず。すべての局面で、すべての選手が屈強さを見せて90分間を走り抜き、悲願のJ1昇格を達成した。
引き分けでも敗退。文字通り後のない一戦で歓喜の瞬間は前半37分だ。自ら蹴った左CKのはね返りを拾ったMF宮阪が再び鋭いクロスを入れると、山崎が頭で合わせた。「選手全員の気持ちが乗り移ったゴールだった」と振り返る値千金の一撃で先制した。
そこからが真骨頂。反撃を狙う千葉の攻撃を、準決勝の磐田戦では劇的なゴールも決めたGK山岸を中心に封殺。高い集中力が生む出足の速さと、ピンチにはちゅうちょなく体を投げ出す献身的なプレーを90分間貫いた。
石崎監督にとって山形は94年に自身が指導者としてのキャリアをスタートさせたクラブであり、J1昇格へ導いたのは柏、札幌に続いて3クラブ目となった。「取り組む姿勢を一番大事にしている。うまくなりたい、強くなりたいという気持ちを。戦う気持ちを刺激しながらやっています」。就任1年目ながら石崎スタイルは確実に浸透している。
降雪地域のクラブとしての困難もあった。準決勝を勝ち抜いて迎えた準備期間では、雪のため屋外での練習ができないおそれもあったが、「サポーターと力を合わせて(除雪作業をして)半コート開いて練習できた」(石崎監督)。
この日のゴール裏には約1万人ものサポーターが集まりチームの背中を押した。監督、選手、サポーターだけでなく、クラブに関わるすべての人が手を取り合い、つかんだJ1昇格。この勢いのまま、13日のG大阪との天皇杯決勝(日産ス)でも番狂わせを狙う。