G大阪3冠!宇佐美2発で下克上完結
「天皇杯・決勝、G大阪3-1山形」(13日、日産ス)
J1昇格翌年に偉業達成だ。J1G大阪はFW宇佐美貴史(22)の2得点を挙げる活躍などで、J2山形を3-1で下して優勝。天皇杯は、前身の松下電器時代を含めて5大会ぶり4度目の制覇となった。同時に、リーグ戦、ヤマザキナビスコ・カップと合わせて、00年の鹿島以来史上2チーム目となる国内主要タイトルの3冠を成し遂げた。長谷川健太監督(49)は日本人では初の3冠監督で、喜びをかみしめた。
天を仰いだ。試合終了の笛が鳴った瞬間、初めてピッチ上で感じたタイトルの味。スタジアム全体に響く、聞き慣れた応援歌を胸にしまいながら、宇佐美は大の字に横たわって感慨に浸った。
アシストはしたものの、ベンチで試合終了を迎えたナビスコ杯。祈るような思いで他会場の吉報を待ったリーグ最終節。どちらも涙が頬を伝った。だが、この日は達成感を満喫する笑みが広がった。J2降格の屈辱から昇格、そして3冠。言い続けてきた「ガンバにタイトルをもたらす」という言葉を、最高の形で体現した。
試合開始からわずか4分、胸トラップから右足のボレーシュートは阻まれたが、GK山岸がはじいたこぼれ球を自ら押し込み先制弾。「試合を楽に進めることができた」とうなずいた。
パトリックのゴールをお膳立てし、2-1の後半40分にはダメ押しゴールも奪った。「ラッキーもあったけど、大舞台で結果を出せていなかったので、やっと“らしさ”を出せた」。今回の天皇杯の得点はトップタイの6。今季、宇佐美がゴールを決めた試合は16戦。最後まで負けなかった。
スタンドで見届けた5年前の天皇杯優勝。躍動する背番号7の姿が印象的だった。「ヤットさん(遠藤)を見て、僕もああやってガンバをけん引したいと思った。少なからず見せられたかな」。勝利の味は格別だった。
苦しみながらも、達成した偉業。そしてこう振り返った。「チームとリンクしたシーズンだった」。今季のガンバは宇佐美とともにある。不敗神話完結とともに、西の横綱は完全復活を遂げた。