星稜が決勝進出 監督不在も3-0圧勝

 「全国高校サッカー選手権・準決勝、星稜3-0日大藤沢」(10日、埼玉)

 準決勝が行われ、12日の決勝(埼玉スタジアム)は前橋育英(群馬)-星稜(石川)の組み合わせに決まった。ともに勝てば初優勝となる。星稜は、日大藤沢(神奈川)を3-0で下し、大会直前に交通事故で負傷した河崎護監督(55)不在の中、2大会連続の決勝進出。日本代表FW本田圭佑(28)=ACミラン=在籍時と、昨年も達成できなかった頂点に挑む。前橋育英は、流通経大柏(千葉)に対して後半終了間際に1-1の同点に追い付き、PK戦を5-4で制して初めて決勝へ駒を進めた。

 ラッキーボーイが値千金の追加点をもぎ取った。オウンゴールで1-0の前半35分、左サイドからFW森山(3年)が上げたクロスに、今大会初スタメンのMF杉原(3年)が走り込んだ。「(ゴール前の)ゴチャゴチャしたところで、自分のところに落ちてきた」と夢中で左足を伸ばし、押し込んだ。

 昨年10月以降、公式戦での先発がなかった。それでもジッと我慢した。「県予選から出られなくて悔しかった。ふてくされずに地道に準備してきた」と、大一番での抜てきに応え、胸を張った。

 左足で殊勲のゴールをたたき出した杉原だが、名古屋ユースに所属していた小学生時代、当時のトップチームには星稜OBで現日本代表のFW本田がいた。愛知県日進市の自宅マンションで偶然に会い、サインをもらったこともある。

 「同じ左利きとして憧れがある」。この日も自慢の左足でゴールネットを揺らし、大先輩が踏めなかった決勝の舞台に2年連続で進んだ。

 事故による負傷で入院中の河崎監督とは、離れていても一緒に戦っている。準々決勝の試合後、プレー映像を見た指揮官からはクロスの上げ方などについてアドバイスがあったという。

 「きょうもサイドからの展開でゴールになった」と、教えを忠実に実践し、笑みをのぞかせた。1年前は決勝で涙をのんだ。監督が決勝のピッチで復帰できるかは未定だが、それでも杉原らイレブンの士気は高い。必ず監督を胴上げしてみせる覚悟だ。

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