香川が岡崎が本田が被災地にV届けたい
「アジア杯・1次L、日本-ヨルダン」(20日、メルボルン)
アジア杯連覇を目指し、1次リーグD組首位の日本代表はイラク戦から一夜明けた17日、ブリスベン市内で調整後、ヨルダン戦に向けてメルボルンへ移動した。同戦では引き分け以上で1次リーグ通過が決まる。阪神・淡路大震災発生から20年となり、神戸市垂水区出身のMF香川真司(25)=ドルトムント=らが当時を振り返って被災地への思いを語り、改めて今大会の優勝を強く誓った。
じりじりと肌を焼く真夏の日差しは、あの日の朝とは正反対。それでも「1・17」の日付が、今でもあの時の恐怖を想起させる。神戸市内に住んでいたMF香川は、こう振り返る。「鮮明に覚えていますね。明け方で寝ていましたが、部屋のタンスをお父さんが押さえていました。自分の家はそんなに被害はなかったけど、水道やガスはなかなか復旧しなかったですね」
宝塚出身のFW岡崎も「やっぱり怖かったイメージはある。あれから20年たったんだなと思います」。兵庫県出身の2人は避難生活を余儀なくされた。「食べ物も食べられず、水も配給された。ただ、いろんな人に助けられたという感謝の気持ちがある」とは当時小学校低学年の岡崎。小学校に入学前だった香川も「水くみもしましたし、お風呂も銭湯。大変だったし、寒かったですね」という。
大阪府摂津市出身のFW本田の記憶にも焼き付いている。「揺れたなんてもんじゃないですよ。食事の用意をしていた祖母が僕のところに走ってきて、抱きかかえてくれた」と20年前を回想する。
被災した選手たちは節目のこの日に「忘れてはいけない出来事」と口をそろえた。「神戸出身として、応援してくれるみんなに何かを届けたい。今はサッカー選手として結果を残すことで発信したい」と香川は優勝への決意を新たにした。被災したすべての人々に思いをはせ、アジア制覇に向けて戦い続ける。