1・17忘れない…カズダンス2度舞い

 「慈善試合、KOBE DREAMS3-2JAPAN STARS」(17日、ノエスタ)

 サッカーの「阪神・淡路大震災20年 1・17チャリティーマッチ」(デイリースポーツなど主催)が17日、ノエビアスタジアム神戸で行われ、J1神戸の現役・OB選手中心の「KOBE DREAMS」がサッカー元日本代表選手による「JAPAN STARS」に3-2で勝利を収めた。後半3分から途中出場したFW三浦知良(47)=J2横浜FC=が2得点を挙げ、2種類のカズダンスを披露した。

 役者が違った。1-0の後半12分、FW和多田の右クロスの先にはフリーになったFWカズがいた。軽く頭で合わせてネットを揺らすと、軽やかなステップで代名詞のカズダンスを披露。ひざまずいてバックスタンドを指さした。

 同34分にはFW吉田のパスを受けゴール正面から柔らかく右足で沈めた。2度目は股間に手をやり天をさした。「僕の中では全然違うもの」と言う2種類のカズダンスに、詰め掛けた2万4052人の盛り上がりは最高潮に達した。

 「みんなが盛り上げてくれた。2ゴールできてよかった」。来月には48歳を迎えるキングは心地よさそうにほほ笑んだ。11年3月に行われた東日本大震災の慈善試合でのゴールを再現。「JAPAN STARS」として対戦したMF中田英は「こういう試合で必ず結果を出すカズさんは相変わらずすごい」と賛辞を惜しまなかった。

 多くの命を奪った大震災から20年がたった。当時はセリエA・ジェノアに所属しており被害の様子はTVを通して知った。「衝撃は今でも覚えている」と言う。震災後、初めて神戸を訪れたのは95年の夏。復興支援の一環としてジェノアのチームメートらと神戸市内の学校を訪問した。神戸市立乙木(おとぎ)小学校ではサッカーを始めたばかりの香川真司(ドルトムント)と出会い、プロを目指すきっかけを与えている。

 01年から05年7月まで4年半を神戸で過ごした。今でも年2、3回はプライベートで訪れる「大好きな街」へ、復興への祈りを込めた2ゴール。「忘れてはいけないことを伝えていくことができた。みんなでサッカーをやって喜び合えて、いい1日になったと思う」。カズの笑顔は充実感に満ちあふれていた。

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