J2愛媛、嵐の中の船出も戦い抜く

 J2愛媛FCが木山隆之新監督(42)の下、「全力前進」の新スローガンを掲げて2015年シーズンをスタートした。24日には新体制発表会見が行われ、J1清水からFW瀬沼優司(24)、G大阪からMF岡崎建哉(24)ら7人の新加入選手が意気込みを語った。クラブが粉飾決算問題で揺れる中、ピッチ上の選手たちは昨季19位からの飛躍を目指す。

 J2参入10年目。木山新監督を迎えた愛媛は、「全力前進」のスローガンを掲げて新シーズンのスタートを切った。

 昨季まで石丸前監督が指揮を執った2年間は17位と19位。標ぼうしたパスサッカーはある程度は浸透したが、下位から抜け出すことはできなかった。

 今季は「継続性を考えてチームを編成した」と児玉雄一強化部長は語る。1年ごとにガラリとメンバーが入れ替わっていた例年に比べ、今季は主力選手の多くが残留。チームのベースを崩すことなく、木山新監督と7人の新メンバーを加えて飛躍を目指す。

 その新加入選手の中でひときわ目立つのが、J1清水から期限付きで加わった185センチの長身FW瀬沼優司だ。最前線での高さと強さに加え、献身的な守備にも定評がある。背番号「10」も決定し「2けた得点を目指したい」と意気込んだ。

 同じく清水からの期限付き移籍で、ボランチとして期待されるMF藤田息吹(23)は「1年間、チームの中心として戦いたい」。松本から完全移籍のDF玉林睦実(30)は愛媛・宇和島市出身で「地元クラブでプレーするのが夢だった。戦う姿勢を見せたい」と闘志を燃やした。

 木山新監督が示した今季の目標は「勝ち越し」だ。

 J2での過去9年間で愛媛の最高成績は2010年、バルバリッチ監督時代の12勝12分け12敗(全36試合で19チーム中11位)。現在は年間42試合のため、「14勝14分け14敗。この数字を超えたい」と42歳の新指揮官は力を込める。

 クラブは16日の会見で12、13年度に粉飾決算があったことを発表した。経営状況は極めて厳しい。12年に公表したJ1昇格を実現するための3カ年計画「アクションプラン」も撤回された。毎年この時期に行っていたキャンプも今年は行わないことになった。

 逆境のスタートとなったが、選手たちは何が起きても前を向いて戦い抜く覚悟だ。開幕戦は3月8日、敵地で徳島との“四国ダービー”。「全力前進」の4文字にふさわしいシーズンにするため、地元でじっくりと準備を進める。

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