ミラン勝利も本田に激しいブーイング
「イタリアリーグ、ACミラン3-1カリャリ」(21日、ミラノ)
サッカーセリエA第28節ACミラン対カリャリが21日夜(日本時間22日早朝)、ミラノのサン・シーロ・スタジアムで行われ、ミランは3-1と2月22日のチェゼーナ戦以来、4試合ぶりに勝利を収めた。日本代表FW本田圭佑は先発出場したが、後半25分にチェルチと交代した。パスミスや相手にボールを奪われる場面などもあり、不完全燃焼な印象を残した。交代の際には観客から大きなブーイングが起こった。
本田は4-3-3の3トップの右サイドでスタメン出場した。前半6分、ボールをキープしながらも相手にボールを奪われる。前半14分の右CKは直接ゴール前に飛んだが、GKに阻まれた。そして21分、ミランはFWメネスがMFポリから受けたパスを、左サイドから決めて先制点を挙げた。
26分には右サイドの本田が逆サイドにいたDFアンテネッリにチャンスボールを渡す。これをアントネッリが胸でワントラップし、シュートしたがGKが弾いた。32分には正面25メートルの位置からのFKを本田が蹴るが、低い位置で相手の壁に当たり、右外に外れた。34分、本田は右サイドをドリブルで駆け上がるも、ケアレスミスで相手にボールを取られてしまう。前半は1-0でミランのリードで終了した。
後半2分、カリャリはFWファリアスのゴールで1-1と同点に追いつく。ミランは7分、メネスの左CKをファーサイドにいたDFメクセスがダイレクトでシュート。これが決まって2-1とした。同9分、本田がカリャリのDFアベランを交わして右サイドをドリブルで進んだプレーでは、スタンドからどよめきが起こった。しかし12分、本田はエリアライン近くの右サイドでフリーでボールをキープしながらもチャンスを作れず、ブーイングを浴びた。
ついに後半25分、インザギ監督は本田をベンチに下げ、チェルチをピッチに送り出す。スタンドからは激しいブーイングがわき起こり、本田への不満があらわになった。本田がこれほどまでにサポーターからあからさまに否定されたのは、今季初めて。
試合は後半31分、チェルチが右サイドのエリアライン近くでファウルを受け、これを主審はPKとジャッジ。メネスが落ち着いて右足でゴール右隅に決めて、ミランは3-1と試合を決定づけた。
試合後、本田はミックスゾーンで一瞬止まった。しかし「勝利したが本人にとって難しい試合だったのではないか」という質問に、「ええ、最高でした、今日は」と言い放ち「(行っても)いいですか」と切り上げて足早に立ち去った。通常とは違うその素っ気ない対応ぶりが、自身のパフォーマンスに対して納得のできないいら立ちを感じさせた。