「Ｊ１、名古屋-川崎」（１０日、豊田）

　昨夏のＷ杯ブラジル大会以来となる日本代表復帰を果たしたＦＷ大久保嘉人（３２）＝川崎＝が８日、川崎市内で次節名古屋戦に向けて調整を行い、世代交代を許さない考えを示した。また、日本代表ＦＷ宇佐美貴史（２３）＝Ｇ大阪＝は大阪府吹田市内で次節広島戦（１０日、Ｅスタ）に向けて非公開練習を行い、代表定着へ意欲を見せた。

　声高に叫ばれる世代交代の必要性。だが、やすやすと受け入れるわけにはいかない。「そう言われている中で入れるのは気持ちいい。若い選手にはまだ負けない。プライドを持ってやりたい」。大久保は代表復帰の喜びを語った。

　家族の手荒い祝福も受けた。大久保の代表選出を伝える朝刊。長男・碧人くんは父と川崎の同僚ＦＷ杉本、ＭＦ谷口を見比べ「イケメン、イケメン、ブサイク～」と笑い、莉瑛夫人からは「せめてゴリラにしなさい」と“追い打ち”を掛けられたという。久々の代表復帰に大久保家は明るい笑顔に包まれた。

　導かれるような代表入りだった。合宿初日の１２日は、１３年に他界した父・克博さん（享年６１）の命日。「全然気付かなかった。不思議っすね」と、静かに父への思いに浸った。

　ハリルホジッチ監督が１２％以下を要求する体脂肪率についても問題ない。先日クラブで測定し、１０％を切っていた。「筋肉質だから大丈夫」とにっこり。衰え知らずの３２歳が、指揮官に強烈な印象を刻み込む。