佐々木監督“シュート欠乏症”克服しろ
サッカーの女子W杯カナダ大会(6月6日開幕)で連覇に挑む女子日本代表「なでしこジャパン」はイタリア戦の勝利から一夜明けた29日、長野市内でイタリアと非公開の練習試合を行い、長野合宿を打ち上げた。佐々木則夫監督(57)はシュート意識の欠如を最重要課題とした。チームは6月1日にカナダへ出発し、8日(日本時間9日)に1次リーグC組初戦でスイスと対戦する。
なでしこが深刻な“シュート欠乏症”に陥った。非公開で行われた控え組中心の練習試合では、勝利したものの得点は1点止まり。佐々木監督は「4、5点入ってもおかしくなかったが、相手に合わせてしまった。最後のところで細かくやってしまうのは治らない」と、ゴール前でのシュート意識の低さを指摘。「我々の病気みたいなもの」と独特の表現で苦言を呈した。
28日のイタリア戦の終了間際にもドリブルで持ち込んだFW菅沢がGKをかわしたにもかかわらず、パスを選択。MF鮫島がシュートを外し決定機を逃した。試合後、佐々木監督は「シュートが少ない。『人を見るのではなくゴールを見ろ』と話した。大きな反省としたい」と話していた。
この日の試合前も「遠めから打っていけ」と指示したものの、細かい崩しにこだわる場面も見られたもよう。指揮官は「ゴール前は向こう(カナダ)で徹底してやりたい」と攻撃面の課題克服に乗り出す意向を示した。
FW菅沢はイタリア戦を振り返り「打って終わりたかった。悔しさしかない。もう一度チャンスがあれば自分で打ちたい」と話すなど、選手の意識にも変化は表れ始めている。シュート0本に終わったMF川澄は「個人として反省はあるが、チームのシュート数(11本)はあったほう」とし、大儀見の得点にも「流れの中で得点で良かった」と手応えも口にした。なでしこが本番直前にこじらせた“病”。無事に“完治”させた先に、W杯連覇が見えてくる。