武藤、チームにいい置き土産ができた!
「ナビスコ杯、湘南0-0FC東京」(3日、BMWス)
試合直後、FC東京のFW・武藤の口からは「良かった」と安堵(あんど)の声が漏れた。
今夏のマインツ(ドイツ)移籍が決まっている東京のエースにとってはナビスコ杯ラストゲーム。その試合前日、こう意気込んだ。
「勝てば決まる。勝ちきりたい。決勝トーナメント進出を一つの置き土産としたい」。
背番号14はこの日、前線で孤立する場面が多く、見せ場は決して多くなかった。それでも、献身的な守備などでチームに貢献し、3年ぶりの8強へ一役買った。
「疲れもあったが、無失点で抑えられたことはプラス。決勝トーナメントに行けたことで、一つ目標達成できた。僕が抜けても、このメンバーなら確実にやって(優勝して)くれる」
現行の大会方式となった2009年以降、クラブ史上初となる無敗での1次リーグ突破を置き土産にドイツへと旅立つ。今秋、FC東京がカップ勝者となったとき、「武藤」の名はクラブ史とサポーターの記憶の中に、3度目のナビスコ杯をもたらした殊勲者の一人として刻まれることになる。