辻上さん「ホマの笑顔が好き」
J1仙台強化・育成部の辻上裕章氏は12日、仙台市内で報道陣の取材に応じた。はにかんだ笑みから幸せがあふれ、澤の魅力を問われると「たくさんあるが、特に好きなところは笑顔」と即答した。
10年来の“友人”だったが、関係に変化が訪れたのは今年1月上旬だ。昨年5月以来、女子日本代表から遠ざかった澤の不安や焦りを何度も受け止めた。年が明け、2人きりでW杯イヤー最初の自主トレに臨んだ。澤がランニング、辻上氏は自転車で並走。「そこから僕の中で違った感情が芽生えた」。共に歩み出した瞬間だった。
澤はドイツでW杯を手にしFIFA年間最優秀選手賞に輝くなど女子サッカーの頂点を極めた存在。結婚に至るまでの決断は容易ではなかった。『澤の旦那』と呼ばれ続けることに「相当の覚悟と自問自答を繰り返した」。それでも「一度しかない人生。一度しか出会えない女性。手を取り合い進もうと決断した」と打ち明けた。
「ホマ、ホー」「ヒロちゃん」と呼び合う。プロポーズの言葉は「2人だけで共有したいので」と胸の奧にしまった。しばらく別々の生活が続くが、子どもについては「機会に恵まれることを望んでいる。芝の公園で家族でボールを蹴られれば楽しいな」。新妻を包み込む穏やかな表情で、未来へ思いをはせた。