清武、好調香川を押しのけトップ下獲る
「W杯アジア2次予選、シリア-日本」(8日、シーブ)
W杯アジア2次予選のシリア戦に臨むサッカー日本代表は5日、欧州クラブ所属の2人を除いた21人が試合開催地のオマーンの首都マスカットに到着し、夕方から同市内で練習を行った。MF清武弘嗣(25)=ハノーバー=はトップ下での出場に意欲的で、香川真司から定位置奪取を目指す覚悟を示した。
控えに甘んじるつもりはさらさらない。マスカットに到着した清武は強い口調で言い切った。「こうして代表に来ることができてうれしいですね。(シリア戦は2次予選で)一番大事な試合だと思うので頑張りたい」
6月のシンガポール戦直前に、右足第5中足骨(小指の付け根付近)に亀裂骨折を負って途中離脱。約4カ月ぶりの日の丸に熱い思いがこみ上げる。
負傷により、シーズンの開幕は出遅れたが、復帰後はハノーバーの攻撃をけん引。主にトップ下として、出場5試合で1得点2アシスト。3日のブレーメン戦ではチームの今季初勝利を決めるアシストを記録した。
それだけに「代表でもやっぱりトップ下でやりたい気持ちはある」ときっぱり。ハリル体制のトップ下は香川が定位置だが「真司君も調子が良いので楽しみでもあります」と笑み交じりに語った。
中立地・オマーンでのシリア戦では、日本に“追い風”も吹く。試合会場の芝は良好で、約25ミリにカットされるなど速いパスを攻撃の軸とする日本にとっては有利に働く。スタジアム管理の責任者、スリトさん(31)は「試合前には水もしっかりとまく予定。良いコンディションにしたい」と胸を張った。
オマーンは、清武にとって12年11月に代表初ゴールを決めた思い出の地だ。「すごく良いイメージがある。(欧州からは)時差も楽なので、短い時間で(高温の)気候に慣れたい」。高いレベルで香川と定位置争いすれば、チーム全体の攻撃陣にも大きな刺激となる。2次予選の命運を占う一戦で、清武が存在感を見せつける。