広島が年間首位返り咲き 山岸男泣き

 「J1、広島2-1川崎」(17日、エディオンスタジアム広島)

 J1広島がMF山岸智(32)の劇的ゴールで勝ち点「3」を奪取。第2ステージ(以下S)の首位を死守し、年間順位は首位に返り咲いた。1-1の後半ロスタイムから途中出場し、直後に左足でゴールネットを揺らした。今季はケガなどで出場機会が限られていたベテランが、チームの救世主になった。

 試合終了の笛と同時に、山岸はピッチに突っ伏した。涙がほおをつたう。終了直前で決めた値千金の決勝弾。こみ上げる感情を抑えることができなかった。

 「厳しいシーズンを過ごしてきた。ベンチに入る機会も限られていた。腐らずにやってきて、チームの力になれたことがうれしかった」

 1-1の後半ロスタイムから途中出場。その2分後だ。カウンターから相手のクリアミスを見逃さず左足でゴールネットに突き刺した。ゴール後は紫のサポーターの前にダッシュ。出場2試合目で決めた今季初ゴールに、拳を突き上げて喜びを爆発させた。

 開幕1週間前に左足ふくらはぎの肉離れで戦線離脱。復帰してからも競争を勝ち抜くことができなかった。全体練習後、若手に交じっての居残り練習参加が日常になった。「若手に、腐らずにやればいいことがあると言い続けてきた。それを結果で見せられた」。32歳のベテランが諦めない姿勢の大切さを示したゴールでもある。

 第2Sで首位を守り、年間順位では浦和を得失点差で上回り首位を再奪取した。「残り3試合。一番上の順位で終わりたい」。苦しんだ末にもぎとったゴールが、チームに大きな推進力を生んだ。

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