新聖地誕生!G大阪新スタジアム完成

 関西に“野球の聖地”甲子園に続く、新たな聖地誕生へ-。来季からJ1G大阪が本拠地として使用する「市立吹田サッカースタジアム」(大阪府吹田市)の竣工式がこのほど同会場で行われた。総工費約140億円のうち約75%が企業や個人からの募金。国内外のスタジアムを視察し、いいとこ取りで造られた“手作り”スタジアムが来年2月にお目見えする。

 G大阪のクラブハウスのちょうど裏。元日本代表MF遠藤保仁も「世界に引けを取らない」と絶賛するサッカー専用スタジアムが、万博に完成した。収容人数は約4万人。観客席は全席屋根つきで、代表戦も開催可能。竣工式には5万円以上を寄付した4394人が招待され、その誕生を喜んだ。スタジアム建設担当のG大阪・本間智美主任は「とにかくサッカーに特化している」と胸を張る。

 スタジアムの随所にこだわりが施されている。ピッチの芝がうまく発育するよう、日当たりを考慮し、屋根の一部はガラス製。湿気による根腐れを防ぐため、客席の下には空気の抜け道を作った。

 戦いの舞台でもあるため、選手はバスで会場入り後、試合直前まで相手選手と一切顔を合わさないような動線になっている。ロッカーとピッチを結ぶ通路床のタイルは、機能性も考慮してG大阪の選手が多数決で決めた。

 また、日本では一般的に1階の中央付近に運営本部や関係者控室を設けているスタジアムが多い。しかし、建設案を作るにあたって欧州を視察した際、現地の関係者から「そこは選手の場所でしょ?」と指摘された。「主役は選手。脇役の裏方の場所ではない」というわけだ。欧州をモデルに1階は「どうしても残さなければいけない機能以外、選手の場所」(本間主任)にした。荷物の搬入出を容易にするためバリアフリーにもこだわった。

 観戦に訪れた人にも感動を提供する。スタジアムに到着すると、外周ではG大阪のマークが入ったマンホールがお出迎え。「スタジアムに来たという感動が印象的だった」(本間主任)という広島のマツダスタジアムを参考に、階段を上ってコンコースに出ると、ピッチが一面に広がって見える作りにこだわった。コンコースは1周ぐるりと回れる。

 客席の最前列とサイドラインとの間隔は約7メートル。規定ギリギリまで近づけており臨場感は抜群だ。ベンチの一部は客席の下に埋め込まれている。VIP席も欧州を参考に約2000席用意した。「いますぐ、その数が必要であるとは思わないけど、将来を見据えた」(同主任)という。

 「甲子園は高校球児の夢の舞台。サッカーには国立があるけど、サッカーなら万博ってなってくれたら。関西にはそういうロールモデル(手本)がある」と本間主任。遠藤も「歴史のあるスタジアムにしていきたい」と話す。こけら落としは来年2月のプレシーズンマッチに決まった。甲子園球場は誕生から今年で91年。同じ関西の地で、新たな聖地の歴史が始まる。

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