澤、電撃引退…数々の伝説残し37歳で

 サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の主将として2011年女子W杯ドイツ大会初優勝に貢献し、得点王と最優秀選手にも輝いたMF澤穂希(37)=INAC神戸=が16日、今季限りで現役を引退することを発表した。マネジメント会社が明らかにした。17日午後に東京都内で記者会見を開く。女子サッカー界を長年にわたって引っ張ってきた第一人者がピッチに別れを告げる。

 “レジェンド”が大きな決断を下した。長年にわたり、女子サッカー界をけん引し続けてきた澤が、今季限りで現役を引退することを発表した。

 INAC神戸のチームメートにはこの日午前、神戸市内で行われた練習の最後に組んだ円陣で本人の口から伝えられた。「今シーズンをもって現役を引退します」。今の思い、そして残された試合への決意。全員が驚いた様子で言葉を発することなく、神妙な面持ちで澤の言葉を聞いていたという。

 所属クラブにその意思を伝えたのは、12月に入ってからだった。8月にJ1仙台のスタッフである辻上裕章氏(39)との結婚を発表した際には「現役を続けるのであれば、目標を高く持ってやりたい。結婚後も現役を続ける選手が増えてほしい」とサッカーへの情熱を語っていた。ところが、来年2月のリオデジャネイロ五輪予選(大阪)を2カ月後に控えたタイミングでの引退決断。まっすぐな表情で決意を語った姿に、文弘宣会長は思わず感極まったという。

 女子サッカー界の中心選手で、ヤングなでしこたちの憧れの存在だった。15歳で代表デビューし、205試合出場、83得点はともに史上最多。初優勝した11年女子W杯ドイツ大会では、米国との決勝の延長後半に劇的な同点ゴールを決め、MVPに選出された。5ゴールで得点王にも輝き、12年国際サッカー連盟(FIFA)の女子最優秀選手にアジア勢で初めて選ばれた。今年のW杯カナダ大会では史上最多6度目のW杯出場を果たした。

 最後となったW杯を前に「今後の子供たちがいい環境でサッカーをやれるよう、先頭を切って結果を残したい」と話したように、引退後も女子サッカーの普及に力を注ぐ考えを持っている。

 決して言葉数は多くないが、背中で仲間を引っ張り、だれよりも熱いサッカーへの情熱を秘めている。20年東京五輪や日本が招致を目指す23年女子W杯に向け、次のステージでの活躍が期待される。

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