広島・浅野の2発で歓喜の延長勝ち越し
「天皇杯・準々決勝、広島2-1FC東京」(26日、長崎県立総合運動公園陸上競技場)
J1覇者の広島は途中出場したFW浅野拓磨(21)の2ゴールでFC東京に逆転勝ち。浦和と柏も準決勝に進んだ。29日の準決勝はG大阪-広島、浦和-柏のカードとなった。
ピッチにできた、歓喜の輪の中央で笑顔がはじける。窮地を救ったのは浅野だ。追いかける展開から途中出場して2ゴールをゲット。J1王者の力を見せつけ、チームを4強入りに導いた。
「監督からゴールを決めて来いと言われた。試合をひっくり返してやろうという強い気持ちがあった」
0-1の後半40分。左サイド柏のクロスを頭でねじ込み同点。延長前半13分にも再びヘディングシュートでネットを揺らした。「普段、ヘディングはうまくないんです」。それでも大事な局面で決めてみせる勝負強さが、何よりも頼もしい。
長崎は森保監督の古里。シンデレラボーイは前日25日まで、その事実を知らなかった。「みんなで話していてわかったんです」と苦笑いした。自らの得点で指揮官が故郷に錦を飾った。「良かった」と胸をなで下ろした。
リーグ戦は、ここ4年間で3度の日本一。だが天皇杯ではまだ優勝がない。「ゴールを決めるのが自分の仕事」。21歳の若きストライカーが、悲願のタイトル獲得へ推進力をもたらす。