浦和またG大阪に屈す…武藤途中交代
「天皇杯・決勝、G大阪2-1浦和」(1日、味の素スタジアム)
G大阪が2連覇となる5度目の優勝を果たした。FWパトリックが2得点で勝利に貢献した。ナビスコ杯では決勝で鹿島に、リーグ戦では広島に優勝をさらわれたが、昨季の3冠王者が2015年度最後のタイトルをものにした。一方の浦和はゼロックス杯、リーグ戦、チャンピオンシップと合わせて今季1勝4敗とG大阪を苦手にしたが、浦和MF武藤雄樹(27)は「ゴール前の部分だと思う」と課題を挙げた。
武藤は唇をかんだ。「今日のような試合を何度もやっている。また(先制されて)追いかける展開になったので、先制点を取らないと」。シャドーと呼ばれる攻撃的MFの一角で先発も無得点。放ったシュートも1本で、後半12分にベンチに退いた。
浦和は、今季だけでも昨年2月のゼロックス杯、リーグ戦のチャンピオンシップ(CS)準決勝、そして天皇杯決勝とG大阪との直接対決に敗れている。さらに武藤が加入する前の14年にも、リーグ戦終盤の直接対決でも屈してV逸の原因となった。
勝負どころで負ける要因について、武藤は「ゴール前の部分だと思う。ウチも1点は取っているけど、チームを勝たせる選手はいない」と分析。それだけに「来季はもっと個人の力で点を取れるようにしたい」と進化を目指す。
移籍1年目となった今季はリーグ32戦で13得点と躍動した武藤。特に前線での連係や、正確なワンタッチゴールが持ち味だが、さらなる高みに向けては「それだけでは厳しいのではないか」と語る。そして「(伸ばすところは)ドリブルかなと。そこは今日の試合だけで思っていたわけじゃなくて考えていたところ。僕自身の(攻撃)バリエーションを増やさないといけない。もちろん、今季の試合の中で(進化の)きっかけとなるシーンもあったし、仙台ではサイドからドリブルで仕掛ける選手だった。それを浦和のスタイルの中でうまく出せればと思う」とイメージを膨らませている。
野心を燃やす背番号「19」の進化が、07年のACL制覇以来遠のいているタイトルを浦和へともたらすカギとなる。