手倉森監督イラク戦に「全てを懸ける」
「サッカー・U-23アジア選手権・準決勝、日本-イラク」(26日、ドーハ)
リオデジャネイロ五輪アジア最終予選を兼ねたU-23アジア選手権に出場中のU-23日本代表の手倉森誠監督(48)は準決勝イラク戦前日の25日、公式会見に臨んだ。勝てば6大会連続10度目の五輪出場が決まる大一番に「全てを懸ける。力を出し惜しみできないという覚悟を投入する」と決意を打ち明け、FW鈴木やMF遠藤の起用を示唆した。午後にはドーハ市内で前日練習を行った。
勝って決める-。試合前日の公式会見に臨んだ手倉森監督は「明日は全てを懸ける。懸かっているものは2つある。五輪切符と決勝進出。力を出し惜しみできないという覚悟を投入する」と、断固たる決意を口にした。
ベストメンバーで挑む。16日のサウジアラビア戦で右股関節に炎症を起こし、24日の練習で8日ぶりに合流したばかりのFW鈴木や、左脚付け根の違和感で別メニュー調整のMF遠藤ら状態に不安を抱える選手について、「先に使うイメージ」と先発起用を示唆した。
手倉森ジャパンはイラクに過去2戦2敗。14年1月のU-22アジア選手権(0-1)、同年9月の仁川アジア大会(1-3)で敗れている。「イラクを超えないと世界は見えてこない」と“三度目の正直”を誓った。
幸運な巡り合わせも後押しする。3日のドーハ入り後に初練習を行った会場が、93年に“ドーハの悲劇”の舞台となったアル・アハリ競技場だった。同競技場の管理人からは「ここで一番最初に練習したチームが幸運を得ている」との逸話を聞いた。11年にアジア杯を制したザック・ジャパンも初練習を行っていた。
ドーハの地で行うイラク戦に宿命を感じずにはいられない。「あの時、日本サッカー界は悲しみに覆われた」と振り返る。“悲劇”から23年。日本は5大会連続で五輪の舞台に立ち続けている。「五輪に出ても不思議ではないチームと認めてもらい、胸を張って世界に出たい」。手倉森ジャパンの挑戦が、ついに結実する時が来た。