なでしこ五輪絶望的 宮間は涙の謝罪

 「サッカー女子・リオデジャネイロ五輪アジア最終予選、日本1-2中国」(4日、キンチョウスタジアム)

 日本代表「なでしこジャパン」は、中国に1-2で敗れた。3試合を終えて1分け2敗で勝ち点1の5位。4大会連続となる五輪出場は絶望的となった。日本は7日のベトナム戦、9日の北朝鮮戦に連勝しても、勝ち点7の中国や同5の北朝鮮が残り2試合で勝ち点を上積みすると、五輪出場権の2位以内を確保できなくなる。

 リオへの道は限りなく閉ざされた。崖っぷちで臨んだ一戦でも勝利はつかめず、3試合を終えて勝ち点はわずか1。敗戦を告げるホイッスルが鳴ると、選手はぼう然とピッチに立ち尽くした。

 エース大儀見は声を震わせて言った。「こういう舞台で実力を出せないことが、自分たちの実力と認めざるを得ない。負けることが意味することは理解して臨んだつもりだったけど、全ての選手が理解していたのかというと、そうではなかった。ピッチに立つ以前に負けていた」。チームを引っ張る立場だからこそ苦言を呈した。

 かすかな可能性を信じて臨んだ中国戦だった。しかし、前半14分、MF川村のバックパスをDF田中とGK福元がお見合い。中国FWの張叡に奪われ、先制点を許した。さらに後半13分にはMF古雅沙に左足でミドルシュートを決められた。同20分に横山がゴールを決めたが、反撃もそこまでだった。

 日本中を魅了してきたなでしこジャパンの持ち味は“ひたむきさ”だった。世界の屈強な相手にもひるまず、懸命にプレーする姿が、多くの人に勇気を与えた。前日の練習に訪れた澤さんも「死に物狂いで戦ってほしい」とエールを送った。選手はその言葉を胸に懸命に苦境に立ち向かったが、結果はついてこなかった。

 主将の宮間は「3試合通じて、うまくいっていないという感覚はあまりないが、結果を出すことができない。死に物狂いでやっているつもりだが、ファンには申し訳ない」と涙ぐみながらチームの現状を語った。

 佐々木監督は「後手後手に回って歯車がかみ合わない状況が続いている。あと2戦、下を向かず、みんなで戦っていきたい」と話したが、その言葉もむなしく響くばかり。サポーターのため息とともに、大阪の夜空に冷たい夜風が舞った。

  ◇  ◇

 日本は残り2試合に連勝しても勝ち点7。同9の首位オーストラリア以外のチームが勝ち点8に届くと2位以上の可能性が消える。勝ち点7の中国が7日の韓国戦で引き分けるか勝った時点で、日本の五輪出場はなくなる。

 日本が五輪出場権を得るには、ベトナムと北朝鮮に連勝し、中国が韓国とオーストラリアに連敗することが絶対条件。その上で北朝鮮が7日のオーストラリア戦で引き分けか負け、韓国が9日のベトナム戦に勝たないことが必要になる。

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