リオデジャネイロ五輪に出場するサッカー男子Ｕ－２３日本代表のオーバーエージ（ＯＡ）枠に海外組の招集が困難となった。２８日、欧州視察から帰国した日本協会の霜田技術委員（４９）が取材に応じ「難しいと思う。限りなくゼロに近い」と語った。手倉森誠監督（４８）はＡ代表主力クラスの招集を希望していたが、今後は国内組を軸に調整を重ねていくことになる。

　海外組のＯＡ枠招集が事実上不可能となった。欧州視察から帰国した霜田技術委員は「やはり難しいと思う。（交渉に）勝ち目はない」と白旗を上げた。

　４８年ぶりのメダル獲得に向け、手倉森監督は「日本もアクションを取るべき」と、Ａ代表の主力クラスであるＦＷ岡崎慎司（レスター）、本田圭佑（ＡＣミラン）、ＤＦ長友佑都（インテル・ミラノ）ら“大物”をリストアップしていた。１６日に欧州へ出発した霜田氏は各国協会関係者と接触しながらミラノにも立ち寄り、長友らの招集実現に向けて所属クラブと交渉を行ったが不調に終わった。

　１２年ロンドン五輪では選手が代表に招集された場合、国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）がクラブ側に派遣を義務付けていたが、今回は同様の措置を認める見通しが立っていない。また、五輪開催期間は国際Ａマッチデーから外れており、代表側に選手の拘束力はない。霜田氏は「他国では２３歳以下でもレギュラークラスの五輪出場は難しいのではないか」との私見も示した。「現場から要望があればダメ元で行く」と、再度交渉に出向く意思も示したが、招集の可能性は「限りなくゼロに近い」と説明した。

　ＯＡ枠については今後、国内組を中心に調整を重ねていく。関係者によると、ＦＷ小林悠（川崎）、ＭＦ柴崎岳（鹿島）らが既にリストアップされている。ただ、Ｊリーグも中断されないため、国内組とはいえ招集実現へのハードルは低くはない。手倉森ジャパンのチーム編成が再考を迫られることとなった。