「Ｊ１、仙台０－２鳥栖」（３０日、ユアテックスタジアム仙台）

　鳥栖は元日本代表ＦＷ豊田陽平（３１）の２ゴールで仙台に２－０で勝ち、開幕戦以来の２勝目を挙げた。柏は神戸に２－０で快勝して４連勝、７戦負けなしで４位に浮上。湘南は横浜Ｍを１－０で破り、今季初勝利を挙げた。

　長身選手を並べた相手守備陣をあざ笑うかのように、豊田のヘッドがさく裂した。後半１１分、吉田の左クロスに対して、完璧に合わせた。「僕には決められるパターンがある。この感覚、どう説明したらいいか」と、誇らしげに口にした。

　前半４５分には、空中戦でＤＦ石川直と競り合った際に倒された。自ら得たＰＫをゴール左隅に流し込んだ。開幕戦以来、７試合ぶりの白星をもたらした２ゴール。複数得点は昨年６月２７日の広島戦以来だった。「なかなか勝てない中、勝ち点３を取る難しさを感じていた」。久々の勝利の味をかみしめた。

　２点目の後は、真っ先に鳥栖サポーター席へ駆け寄った。そして「被災地へ勇気を」の横断幕をつかみ、両手で掲げた。熊本を中心に襲った大地震。「サッカーで、何かを感じてもらえるようなゲームをしないといけない中、やっと勝つ姿、自分たちらしい姿を見せることができた」。九州の代表としての強い自負をプレーと結果で示した。

　４月２９日に今季リーグ戦初勝利を挙げた福岡に続き、白星を挙げた。フィッカデンティ監督は「福岡も勝ったし、頑張っている方々に、いいものを届けられた」とうなずいた。エースは「勝ち点３を継続していきたい」と誓った。不屈のストライカーが、５月攻勢の先頭に立つ。