日本サッカー協会は２６日、６月のキリン杯（３日・豊田ス、７日・吹田）に臨む日本代表２５人を発表し、ＭＦ小林祐希（２４）＝磐田、大島僚太（２３）＝川崎＝を初選出した。バヒド・ハリルホジッチ監督（６４）は新戦力の選考に関して、若手の台頭を促すことを示唆。将来的に、チームの中核であるＭＦ香川真司（２７）＝ドルトムント、ＦＷ本田圭佑（２９）＝ＡＣミラン＝を超えていくことに期待を寄せた。

　その瞬間、発表の会見場がにわかにざわめいた。２４日に「若く新しい選手を２人呼ぶ」と公言していたハリルホジッチ監督が選んだのは、売り出し中の小林祐と大島だった。

　大島については「長い時間をかけて追跡している。面白い選手。２列目から飛び出せて、パスもテクニックも素晴らしい」と評し、小林祐に関しては「質が高い。フィジカル的には、まだまだ伸ばせる。能力は本当にある」と、それぞれの長所を挙げた。

　ともに試合への起用については慎重な姿勢を貫くが、若手の台頭を期待するには理由がある。指揮官はＪリーグのレベル低下を危ぐしており「視察して、最近は時々、いい試合もある。だけど、それはまれだ。そして海外の試合を見るが、全く違う世界。スピードはバイクとフェラーリの違い」と手厳かった。

　さらには「ここ５年で、日本人で本田、香川を超える選手が出てきたか？そして、日本はどういう結果を出してきたか？分析して真実をつかまなければいけない」と言い切った。会見では３３歳のＭＦ今野泰幸（Ｇ大阪）、２９歳のＦＷ家長昭博（大宮）らベテランの実力も認める一方、もっとも必要としているのは若手の成長という。

　監督が求める上昇曲線を、若武者たちは描けるか。