本田から若手への提言、殻を破れ

 キリンカップ(6月3、7日)に臨む日本代表が愛知県内で合宿を行っている。日本代表メンバー25人にはA代表初選出のMF小林祐希(24)=磐田、大島僚太(23)=川崎=をはじめ、MF遠藤航(23)=浦和、FW浅野拓磨(21)=広島ら20代前半の選手6人が名を連ねた。バヒド・ハリルホジッチ監督(64)は先月26日の代表メンバー発表会見で「本田、香川を超える選手がここ5年で出てきたでしょうか」と投げ掛け、主力選手を脅かす若手が台頭しないことを危惧した。

 全体合宿に先立ち、先月24日からは千葉県内で欧州組中心の事前合宿が行われていた。左膝裏付近を痛めてブルガリア戦(3日)の欠場が決まったFW本田圭佑(29)=ACミラン=は同27日に事前合宿に合流した際、若手の突き上げが足りない現状について「客観的に発言すると」と前置きした上で、「うまい選手は本当にいるんですよ。ただ、例えばハートの部分や皆さん(報道陣)との対話とか、こういう感覚がね。みんないい子なんですよ。僕はすごく好きだし、かわいいし、話していて楽しいんですけど、僕は生意気くらいが好きなので」と、もどかしさを感じさせるように話した。

 本田はさらに「そのハートで挑戦してるのはもったいない。もっと海外に行けと言っているのに、状況を気にしたり、クラブの格を気にしたり。ファーストステップは(いきなりビッグクラブへ移籍するような)そういう現状は待ってないから、行ったらいいのに」と続け、伸び悩む若い世代に対して精神的な部分に主な要因を求めた。21歳でオランダに渡って欧州の舞台に飛び込み、2部降格も経験しながらミランにまで辿り着いた自身の経験を振り返ると、現状に足踏みする彼らが多少物足りなく映るようだった。

 それでも自らの取り組み次第で自分を変えることが可能だと本田は信じる。「『三つ子の魂百まで』とはよく言ったもので、育った環境もあって、根本的なことを変えるのは確かに難しい部分はあるが、リーダーシップとかはトレーニングで身に付く。最初からネガティブに、どこかでリミットを掛けている自分というのは誰しもあるけれど、それさえ外していけば、けっこうなことができるんですよね、人間って。大人になってからも僕は本当に変わりたいと、オランダでそれに近かった。全てが変わったとは言わないですけど大きく変わった」。

 例えばリオデジャネイロ五輪世代はおとなしい世代と言われたが、当然彼らも野心や闘争心を十分に秘めている。五輪切符獲得を危ぶまれながらもアジアの頂点に立つことで、可能性を証明した。ただ、五輪を経てその先へ、さらにステップアップしていくためには、技術以外に自らを内側から変えていく必要もあるのかもしれない。欧州組と初めての合宿を過ごす大島や浅野は、自分をさらに成長させるため、何かを持ち帰ることができるだろうか。本田の言葉に耳を傾けることで、殻を破る契機となるかもしれない。(デイリースポーツ・山本直弘)

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