リオ間に合う 室屋4カ月ぶり実戦復帰
「J3、FC東京U23 1-1藤枝」(12日、味の素フィールド西が丘)
リオデジャネイロ五輪に出場するサッカー男子のU-23代表候補DF室屋成(22)が、4カ月ぶりに実戦復帰した。FC東京U-23の一員として、藤枝戦に右サイドバックで途中出場。2月に左足甲の疲労骨折で長期離脱していたが、リオ五輪に向けて大きな一歩を踏み出した。また、同戦では同じく代表候補のMF中島翔哉(21)も実戦復帰した。
DF奈良(川崎)が左スネを骨折し、五輪出場が絶望的なほか、DF山中(柏)が右太腿裏痛、DF岩波(神戸)が左膝じん帯損傷など守備陣に負傷者が相次いでいる。攻撃陣では、FW久保(ヤングボーイズ)が右膝痛のため離脱中。右膝半月板損傷だったDF松原、左太腿裏肉離れだったFW鈴木(ともに新潟)らは、ともに復帰を果たしている。
ピッチへと入る小さな一歩には、大きな感慨がこもっていた。「自分の中では大きな一歩。長い期間リハビリをしていたので、あらためて自分はサッカーが好きだなと」。後半25分、DF室屋が戦いの舞台に戻って来た。
20分間のプレータイムが与えられた、復帰戦。「コンディション的にはまだまだで、体が動かない部分があった」と話すように、持ち味であるハードな守備は、負傷前の状態には遠い状態だった。だが何度も前線に駆け上がるなど、肉体的には完全復活。「恐怖心や痛みとかは、まったくなかった」と笑顔で振り返った。
当時大学生だった1月の五輪アジア最終予選では、不動の右サイドバックとしてアジア制覇に貢献。だが、プロ入り直後の2月11日に左足甲を疲労骨折。長いリハビリの期間中には「気持ちのムラがあった時もあった」という。そんな時に支えになったのは同じくリハビリを続けているチームのベテランMF石川。「前向きな言葉をかけてもらって…。いてくれて良かった」。雌伏の時を経て、戦列に復帰。J3という舞台ながらプロデビューも果たした。
リオに向けて「最後のメンバーは監督が決めるが、手倉森監督は信頼している監督。一緒に戦ってメダルを取りたい」。大舞台に向け、急ピッチで仕上げに取りかかる。