ハリル監督、リレー侍に続け!「組織になったら日本は何でもできるんだ」
日本サッカー協会は25日、W杯アジア最終予選B組でアラブ首長国連邦(UAE)、タイとの2試合に臨む日本代表24人を発表した。ロシアへと続く約1年間に及ぶ予選を前に、バヒド・ハリルホジッチ監督(64)は「厳しいことが起こる」と危機感を口にする一方で、リオ五輪で銀メダルを獲得した陸上男子の400メートルリレーを引き合いに「組織になったら日本は何でもできる」と断言。6大会連続のW杯出場に向け、2連勝スタートを誓った。
限界は突破するためにある。「最終予選では、我々はさらにレベルを上げないといけない」。さらなる向上を目指す指揮官が、日本に大きな歓喜をもたらした、あの4人のサムライを例に出した。
「五輪を見てくれ。(国別メダル獲得数では6位と)日本はかなり良いランキング。そして歴史上初ということもあった。400メートルリレーでは日本人が米国を破った。一人一人は米国の方が速くても、全員でのリレーでは日本が勝った。彼らは米国に勝つ自信を持って臨んだ。それをA代表にも植え付けたい。組織になったら日本は何でもできるんだ。それは自分自身の勇気から始まる」
強い口調で語る裏には、最終予選で指揮官に刻まれた体験が、警戒アラームをけたたましく鳴らすからだ。「最終予選は経験がある。ちょっとしたことがすべてを分ける」。前回のブラジル大会では、アルジェリアを率いて、過酷なアフリカ大陸予選を戦い抜いた。最終予選では、ホーム&アウェーの直接対決で格下のブルキナファソに苦しめられながら出場権をつかんだ。
今回、初戦となるUAEは昨年アジア杯で日本が敗れた相手。「私が耳にしたのは『最終予選は何とかなるだろう』といううわさ。だが『なんとかなる』はもうやめてくれ。そういう発想からリスクが生まれる」とまくし立てた。
さらなる進化のためには、“ハリルの書”とも呼べる「資料を用意した」という。「合宿では各選手に渡す。何を伸ばさないといけないか、細かく盛り込んでいる。ロシアへ行くための席を勝ち取らないといけない」。全身全霊で6大会連続の出場権をもぎ取る。