ハリル不可解采配 W杯出場確率0%…最終予選初戦黒星の出場国なし
「W杯アジア最終予選、日本1-2UAE」(1日、埼玉スタジアム2002)
6大会連続の本大会出場を目指すB組の日本は初戦でアラブ首長国連邦(UAE)に1-2で敗れた。前半11分にMF本田圭佑(30)=ACミラン=が先制ゴールを決めたが、その後、UAEのFWハリルに2点を決められ逆転負け。現行32チーム出場となった98年W杯アジア最終予選以降、黒星発進のチームが本大会に出場した例はなく、日本にとっては厳しい船出となった。
結果がすべての最終予選を最も軽んじていたのは、ハリルホジッチ監督だったのではないだろうか。敗戦後、しばらくベンチから動けずに「心の底からがっかりしている」と切り出した会見では、いつもは炎が宿っている目に生気がなかった。
疑問符を付けたくなる判定など、不運はあった。だがそんなものも、はねのけないといけない状況下だった。本拠で5万8895人の声援を受け、前半11分に幸先良く先制。だが9分後、稚拙なファウルから今予選初失点を許すと、後半7分にMF大島がPKを献上。これをキッチリと決められて逆転され、過去のW杯予選の中で無敗を誇っていた埼玉スタジアムで初めて苦杯をなめた。
大舞台での経験の少なさがあだとなった。メンバー選考の際には「最終予選はリスクは取らない」と語り、今までは選外としていたベテランも予備登録メンバーとするなど慎重さを見せていた。だが、ふたを開ければAマッチデビューの大島を先発で起用し、1点を追う展開で切った交代カードはすべて最終予選の未経験者。指揮官は「なぜこの選手を選んでしまったのかと、私も自分に疑問に思っている」と語ったが、それは後の祭りだ。
「相手は我々の10倍のシネマ(映画)を見せた。それはケガをしたふりだ」。接触時には、大げさに負傷をアピールし続けた相手を皮肉ったが、2次予選でも経験し、想定していた“ワナ”にまたしてもはまった。
それでも、戦いは続いていく。W杯が出場32チームとなった98年大会以降、アジア最終予選で黒星発進したチームが本大会に出場した例はない。道は厳しいが、9試合を残しているのも事実。歴史がなければ日本が作れば良い。まずは次戦のタイ戦(6日)で勝利をつかむ。