ハリル監督「勇気の勝利」選手らたたえる 技術、戦術より精神論
「W杯アジア最終予選、日本2-1イラク」(6日、埼玉スタジアム2002)
日本は後半ロスタイムまで1-1とイラクに苦しめられたが、後半ロスタイムにMF山口蛍がミドルシュートを決め、勝ち点3を手にした。日本は2勝1敗で勝ち点を6に伸ばした。バヒド・ハリルホジッチ監督は「美しい勝利ではないかもしれません、勇気の勝利だと思います」と最後まで諦めなかった選手らをたたえた。
会見場に無数のフラッシュを浴びながら姿を見せたハリルホジッチ監督は少し疲れた様子ではあったが、軽く頭を下げながら「コンバンハ」と日本語であいさつして着席した。
「選手の皆さんに強い気持ち、勇気を持って勝ったのでおめでとうといいたい。埼玉の皆さんにも最後まで応援していただいてありがとうといいたい。価値の高い勝利と思います。強い気持ちを見せろと言ってきての勝利。難しい試合でしたけど、勝利に値したと思います」と気持ちで相手を上回っての勝利として、素直に喜んだ。
6分間と表示された長いロスタイム。引き分けを受け入れそうになったか、との質問には、「今、言うのは簡単なんです。ただ、勝つことをずっと考えてました」と応じた。
そこでピッチ上の選手から感じ取ったのは気迫。「チームとして強い気持ちを感じました。本当に強い気持ちを選手は見せてくれました。初めて選手たちはグラウンド上で叫んでいました。それが報われたと思います」と技術、戦術面はさておき、最後まで勝利を諦めなかった点を評価した。
就任当初から「デュエル」という単語を多用し、1対1の局面で負けないこと、転じて闘争心を最後まで失わないことをチームに求めてきたが、結果的にこの試合ではそれが形になった。
日本らしいパスワークでは得点を奪えず、大苦戦を強いられた。それでも、「強豪国も美しい勝利だけではありません。本当にきつい選手は何人かいました。皆さん(報道陣)もきついと見られたと思う。きつい中やらないといけません。本当にメンタルで戦ってくれ、選手にもありがとうと言いたいし、ここにいるみなさんにもありがとうと言いたい」と選手、ファン、関係者だけでなく、会見場にいた全員に感謝した。