原口3戦連発ゴールも 同点PK献上 暗転「本当に申し訳ない」
「W杯アジア最終予選、オーストラリア1-1日本」(11日、メルボルン)
サッカー日本代表は、アウェーでオーストラリアと1-1で引き分けた。前半5分にFW本田圭佑(30)=ACミラン=のパスに抜け出した原口元気(25)=ヘルタ=が9月6日のタイ戦(バンコク)、6日のイラク戦(埼玉)に続く日本サッカー史上3人目となるW杯最終予選3戦連続ゴールを決めたが、後半にはPKを与えるなど悔しい結果となった。
受け入れがたい現実を受け入れるしかなかった。FW原口が幸先良く先制点を奪ったが、後半にPKを献上。天国から地獄だった。「全員がハードワークしていたし、勝利のためにみんなが頑張っていた。本当に申し訳ない」とこぼしたその目は、うっすら赤く染まっていた。
前半5分の先制弾は「まさに狙い通り」だった。FW本田のパスに抜け出し、GKと1対1の状況を作ると、左足で冷静にゴール右隅へ流し込む。日本を救うW杯最終予選3戦連発は、FW三浦知良、FW呂比須に続く日本選手3人目。前半は紛れもなく日本のヒーローだった。
しかし状況は一転。後半6分、前線から最終ラインまで懸命の戻りを見せたが、勢い余ってエリア内で相手を後ろから倒した。ぼう然と立ち尽くす背番号8。「一人一人ミスなくやっていただけに、あのシーンは悔やまれる。あれはPKだと思う。僕が止まりきれなかった」。先制弾の喜び以上に落胆が大きかった。
とはいえ、この日も先制のシーンのみならず、ミドルシュートやFW本田へのラストパスなど、何度も好機に絡んだ。ヘルタでは開幕から全6試合フル出場。好調を維持して乗り込んできた代表で結果を残し続けているのは日本にとって大きな収穫だ。ただ「2点目が取れるところで取れなかった」という自身の、そして日本の課題はより明確になった。
「悔やんでも仕方ない。次、挽回できるように頑張ります。1カ月後、もう1回勝ち点3が取れるように準備したい」と原口。得られた自信と感じる責任。これを乗り越えてこそ、真の日本のエースへの道は開けるはずだ。