香川不満「面白くない戦い方かも」 豪州戦“ハリル流”カウンター戦術で輝けず

 サッカー日本代表は12日、メルボルンで11日に行われたW杯アジア最終予選のオーストラリア戦を1-1で終えて空路帰国し、各所属クラブに戻った。日本はけが人続出など不測の事態に見舞われながらドローで勝ち点1をもぎとり、他カードの結果で同組3位に浮上。ただ、2戦ぶりにトップ下で先発したMF香川真司(27)=ドルトムント=はカウンター戦術の中で輝けずじまい。同組首位のサウジアラビアと対戦する第5戦に向け、臨機応変に“ハリル流”と“日本流”を使い分ける必要性を説いた。

 香川の表情は敗者のように曇っていた。あえて相手にボールを持たせて逆襲を狙ったオーストラリア戦を「面白くない戦い方かもしれないけど…。まず最終予選を突破しなきゃいけないので」と受け入れつつも、はっきり不満を口にした。

 「(攻撃は)カウンターしか道筋がなかった。オーストラリアというアジアの中でいいチームに対しても、もっとやらなきゃいけない。そういう意味では物足りなさをすごく感じる」

 パスサッカーを完全に捨てた。アジア・サッカー連盟(AFC)のデータでは日本のボール支配率は35%。ハリルホジッチ監督は「わざとポゼッション(ボール保持)させた」と言い、狙い通りの速攻で前半5分に先制。敵地で、しかもボールをつなぐ相手に対し効果的な戦法だったことは間違いない。

 10年W杯の岡田ジャパンは、守備的布陣で16強に入った。ただ、岡田ジャパンが世界の強豪に用いたような戦術を、今回はアジアで実践した。香川は「W杯だったり、ヨーロッパのチームと戦う上では、こういう戦いになるけど…」。明らかに納得していなかった。

 ハリル流の「縦に速く」が形になる一方、ポゼッション力は低下。イラク戦(6日)はロングボールを多用して乱戦を招いた。ボール保持率を上げ、失点のリスクを減らす日本流の精度も、アジアで安定して勝つためには取り戻す必要がある。

 何より、ハリル流だけでは、スペースがなくても巧みなパスワークなどで打開していく香川、FW本田(ACミラン)、MF清武(セビリア)らの長所が生かしにくい。主将のMF長谷部(Eフランクフルト)は「オーストラリアとホームでもこの戦い方をやるかと言ったら、やらないかなと思う」と話す。次戦・サウジ戦で「必ず勝たなきゃいけない」と誓った香川。日本らしい遅攻も織り交ぜる中で背番号10も再び輝きを取り戻すはずだ。

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