浦和王者の「74」年間勝ち点1位 CS決勝シード勝ち取った
「J1、浦和1-1横浜M」(3日、埼玉スタジアム2002)
第2S覇者の浦和は横浜Mと1-1で引き分け、年間勝ち点を74として1位を決めた。浦和の年間最多勝ち点の獲得は04、06年に続き3度目。年間優勝を争うチャンピオンシップ(CS)で決勝にシードされる。
引き分けを告げる笛が鳴り響くと、スタジアムは一瞬の静寂に包まれた。その直後、川崎が敗れ、浦和の年間勝ち点1位が決まると、今季最多5万6841人の歓喜が一気にはじけた。
公式戦連勝は11、リーグ戦連勝は6で止まり、MF柏木は「勝って終わりたかった」と複雑な表情を浮かべたが、年間勝ち点74は、18クラブ総当たり制となった05年以降では昨季の広島と並ぶ最多タイ。2ステージ制ではタイトルに数えられないが、浦和が王者にふさわしいことを数字で証明した形だ。
後半21分に柏木が先制点を挙げたが、40分に追いつかれた。引き分け以下なら川崎の結果次第で年間順位が入れ替わる可能性もあったが、この時点で川崎はG大阪にリードを許しており、年間勝ち点1位は安泰だった。
だが、川崎の途中経過を知らなかったピッチ上の選手たちは、残り時間で追加点を狙いにいこうとしていた。混乱に陥りかけたピッチ内に落ち着きを与えたのは、途中交代で退いたFW興梠だった。ベンチから川崎の状況を伝え、引き分けでも構わないと指示を送った。ベテランならではの機転だった。
ゴール裏には1ステージ制なら手にするはずだったシャーレ(優勝皿)をかたどったコレオグラフィーが作られ、選手をたたえた。それでもDF槙野は表情を引き締める。「本当に喜び合えるのは12月3日」。ホームで迎えるCS決勝第2戦の日を見据えた。