久保キラメキJデビュー!最年少記録更新15歳5カ月1日“バルサ”の技術随所で披露
「J3、長野2-1FC東京U-23」(5日、駒沢陸上競技場)
JリーグのFC東京ユースに所属する中学3年生、FW久保建英(たけふさ、15)が5日、J3に参戦しているU-23の一員として、東京・駒沢陸上競技場で行われた長野戦の後半から初出場し、15歳5カ月1日のリーグ最年少出場記録を更新した。これまでの記録はJ1におけるFW森本貴幸(当時東京V、現川崎)の15歳10カ月6日。久保は3トップの右FWに入り、ドリブルやスルーパスで好機を演出するなど才能の一端を示した。試合は2-1で長野が勝った。
後半開始のピッチ脇に立った背番号50に、スタジアムの視線が集まった。大きな拍手と歓声に迎えられ、久保がJデビューのピッチに立った。12年ぶりに誕生した“中学生Jリーガー”は、3トップの右FWに入るとファーストタッチで2人を交わす堂々のプレーぶりだった。
「初めてなのですごく緊張した」と振り返ったが、後半33分にハーフウェーライン付近からスルーパスを通し、同37分には左サイドで1人を抜き去りペナルティーエリア内に進入。クロスは合わなかったが、才気宿る左足で好機を演出した。
中央や右サイドとポジションを変えながら、一回りほど年上を相手に正確なボールタッチで攻撃にアクセントを与えた。10歳で海を渡り、バルセロナの下部組織で培った高い技術を随所に披露した。
167センチ、60キロとまだ体格が劣ることもあり、球際に強い長野につぶされる場面も見られた。シュート0に終わったこともあり、自己採点も「20点か15点。一人で局面を打開できるようになりたい」と厳しかったが、FC東京の立石GMは「可能な限りJ3でやらせたい」と、来季以降も継続的に出場させる考えを明かした。
クラブの今季J3最多7653人が詰め掛け、開門時間も10分早められた。報道陣182人、テレビカメラ15台と耳目を集めるが「サッカー選手として注目されなくなったら良くないが、今はまだあまり注目してほしくない」と本音も漏らした。
試合会場は、52年前の1964年東京五輪で日本がアルゼンチンを破る番狂わせを演じた舞台でもあった。半世紀の時を超え、20年東京五輪の星が確かな輝きを放った。