清武 もう香川の代役じゃない!新トップ下 ロンドン世代“ビッグ3”で好機演出
「ロシアW杯アジア最終予選、日本2-1サウジアラビア」(15日、埼玉スタジアム2002)
トップ下で先発したMF清武弘嗣(27)=セビリア=が前半45分に自ら得たPKで2試合連続ゴールを決めるなど、MF香川真司(27)=ドルトムント=の“聖域”だったトップ下で大きな存在感を放った。左FWでフル出場した原口元気(25)は1-0の後半35分に追加点となるゴールを挙げ、三浦知良、呂比須ワグナーを上回り、日本代表史上初となるW杯最終予選4試合連続ゴールを記録した。
もはや“香川の代役”などではない。清武がオマーン戦に続き2試合連続でトップ下として先発出場。香川の定位置で君臨した。前半終了間際の45分、ゴール前の混戦から1人をかわして放ったシュートがハンドの反則を誘い、PKを得た。ペナルティースポットに立った背番号13は「前半の最後に冷静に決められて良かった」と、相手GKの動きを見透かしたように、落ち着いてゴール左下隅に先制点を流し込んだ。
1得点2アシストのオマーン戦でもPKを決めており、2戦連続ゴールとなる国際Aマッチ通算5得点目。ベンチ前で待つチームメートの元に走り、歓喜の輪に飛び込んだ。12日に誕生日を迎えたばかりで、27歳の初陣に自ら花を添えた。
最終予選の大一番で担ったPKキッカーの重圧にも動じることはなかった。「(本田)圭佑君も『点を決めることで自信になる』と言ってくれた。この1点は自分にとって大きな1点」と、かみ締めるように振り返った。
両チーム最多のシュート4本を放ち、センターFWの大迫、左FWの原口と連係したロンドン五輪世代の“ビッグ3”は何度も好機を演出。ハリルホジッチ監督も「リズムは取り戻していないが、この2試合、すごくハイレベルなプレーをした」と清武を称えた。
指揮官のプラン通り、後半19分にはピッチを退いた。代わって入った香川が精彩を欠いたことで、その存在感はさらに浮き彫りとなった。香川の定位置を奪ったかと問い掛けられた清武は「そういう意識はあまりない」と静かに否定した。だが、ピッチで放った輝きは、どんな言葉より雄弁だった。