寿人「行ってきます」名古屋完全移籍 サンフレ契約更新打診も…出場機会を求める
J1広島は21日、元日本代表・FW佐藤寿人(34)の名古屋への完全移籍を発表した。J1通算歴代2位の161ゴールを誇り、3度のリーグ制覇に大きく貢献したエースは今季、19試合で4得点。チームは契約更新を打診したが、出場機会を求めて新たな挑戦を選択した。
エースが、チームを去る決断を下した。広島を愛し、広島で完全燃焼する思いがあった。だが、名古屋からのオファーに佐藤の心は動く。ピッチに立ちたい-。選手としての純粋な思いだった。
「話を頂き、自分の中で選手としてまだまだ戦いたい、勝ちたい、ゴールを決めたい、チームのために体を張りたい。自分のためにチャレンジしたいという気持ちが強く、移籍を決断しました」。クラブを通じてコメントを発表した。
チームの象徴的存在。3度のリーグ制覇は、この男なくして語ることはできない。時にチームと衝突し、ベンチを外れたこともある。誰よりもゴールや勝利に対する高い意識があったからだった。
名古屋は来季からJ2に降格する。FW永井はFC東京から、FW川又は新潟などからオファーを受けており、いずれも流出の可能性がある。34歳と年齢を重ねても、佐藤の得点感覚に陰りはない。手薄な攻撃陣を補い、1年でJ1に復帰させることが、エースに課せられた使命だ。
「サヨナラは言いません。ありがとう。そして、行ってきます」。12年間、背中を押してくれたさまざまな人に感謝の言葉を紡いだ。サポーターも思いは同じはず。そしてこう言うだろう。「ありがとう、行ってらっしゃい」。