元独代表をもうならせる「日本は香川が代表にいることを誇りに思った方がいい」
【2012年5月24日付デイリースポーツ紙面より】
「国際親善試合、日本2‐0アゼルバイジャン」(23日、静岡スタジアム)
日本代表は2‐0で格下のアゼルバイジャン代表を下した。前半にFW香川真司(23)=ドルトムントが、後半にFW岡崎慎司(26)=シュツットガルト=が得点。6月3日に始まるW杯アジア最終予選の序盤3試合に向けた唯一の強化試合にけがでW杯アジア3次予選の全試合を欠場したMF本田圭佑(25)=CSKAモスクワ=が、昨年8月の韓国戦以来の代表復帰し、2ゴールに絡む活躍を見せた。後半に途中出場したFW宮市亮(19)=ボルトン=が、代表デビューした。
世界の技術が光った。0‐0で迎えた前半42分だ。左サイドでパスを受け取ったFW香川が切り返すと、相手DFを置き去りにした。右足で放たれたシュートは相手GKをあざ笑うかのようにカーブを描き、逆サイドネットへ突き刺さった。
国際Aマッチでは昨年10月11日のタジキスタン戦以来となる約7カ月ぶり、通算10得点目のゴール。23歳67日での到達は、22歳248日の釜本邦茂氏に次ぐ2番目の若さだ。「イメージ通りにすべてがいったのでよかった。(守備が)食いついてきたので、かわせればフリーになると思った。コースを狙った。あそこにけろうと思った」とこともなげに振り返った。
海外組の調整用に日本協会が用意した試合だった。期待通りに結果を出し、アゼルバイジャンを率いた元ドイツ代表でW杯優勝メンバーのフォクツ監督を「1点目は世界でもトップレベル。日本は香川が代表にいることを誇りに思った方がいい」とうならせる役者ぶりだったが、香川自身はまだ上のレベルを目指している。
「物足りない試合だったけど次は修正したい。まだまだお互いの距離感に開きがある」と反省を口にする。本田がつなぎ、長谷部に託されたパスを香川が決めた。こんなシーンを何度も作らなければ、W杯予選は勝ち抜けない。
マンチェスター・ユナイテッドへの移籍が取りざたされる中「ドルトムントの(受け取る)移籍金も上がる活躍か」と水を向けられたが、「この試合は見てないでしょ。僕がコメントできることではないですから」とかわした。今、目指すのは、6月のW杯アジア最終予選の3連勝だけだ。