マツが降りてきてくれた…追悼試合で同期の安永氏が惜別弾
【2012年1月23日付デイリースポーツ紙面より】
「松田直樹さん追悼試合」(22日、日産ス)
同期生が惜別のメモリアル弾‐。サッカー元日本代表DF松田直樹さんの追悼試合(日産スタジアム)の横浜M・OB‐Naoki Friends戦で、松田さんと横浜M同期入団の安永聡太郎氏(35)が決勝ゴールを決めた。大会実行委員長を務めた安永氏は試合後、今後も松田さんの追悼イベントを開催する考えを明かした。
天国にいる親友からのアシストを、確かに感じた。城氏のヒールパスを受けた安永氏が前半17分、右足アウトサイドで絶妙のループシュート。ボールはGKの頭上を越えてネットを揺らした。現役時代にも見せたことのないような技ありゴールに「(天国の)マツが降りてきてくれた。そうでなければ僕に決められるようなシュートじゃない」と喜んだ。
安永氏は1995年に同学年の松田さんと横浜Mに入団。松田さんとは出身地もポジションも違うが、ウマが合ったという。今回のイベントでは、発起人として実行委員長を務めた。そんな男がこの日、唯一の得点を刻んだ。目には見えない因縁の“糸”で結ばれていたのかもしれない。
試合のために1カ月前から坂道ダッシュをし、練習試合まで組んだ結果「調子に乗って」左太ももを肉離れ。この日は足を引きずりながらのプレーだった。ゴール直後に交代したが「あのシュートも、もし肉離れしてなかったら力が入ってゴールになってない。あれもマツのいたずらのような気がする」と明かした。
カズや中田英寿氏らスーパースターが集結し、スタンドには4万人を超えるサポーターが駆けつけた。安永氏は「不安の方が大きかったが、多くの人が来てくれた。あらためて、松田直樹はすごいと思った」と感慨を込めた。今後は8月に松本で、J2松本‐横浜M・OB&Naoki Friends合併チームの追悼試合を計画しているという。