3‐4‐3不発で初連敗 豪州戦に不安

 「国際親善試合、日本0-2ブルガリア」(30日、豊田)

 ザックジャパン“伝家の宝刀”はさびついていた。日本代表が長期的視野からテストした3‐4‐3は機能せず、ブルガリアに0‐2で完敗した。前半3分にGK川島永嗣(30)がはじきにいった正面の直接FKを後ろにそらすミスを犯し先制を許すと、後半25分にはMF長谷部誠(29)が痛恨のオウンゴール。ミスが続いての敗戦に、FW香川真司(24)は悔しさをにじませた。ザッケローニ体制では初の連敗。6月4日に迫ったオーストラリアとのW杯最終予選に不安を残した。

 ザッケローニ監督が、温め続けた“虎の子”のオプションは、今回も消化不良に終わった。指揮官の代名詞ともいえる「3‐4‐3」の布陣。5戦目となる実戦テストは45分間で、後半はベースとなる「4‐2‐3‐1」に戻したが、結果としては就任後初の連敗。新オプションの実りは、あまりにも少なかった。

 試合後、ザック監督は「まずは相対的なコンディションを高めないといけないなと感じた。前後半でシステムは変えたが、そんなに多くのことは変わらない」とコンディション面の問題があったことを説明。だが、立ち上がりは選手の中途半端な位置取りが目立ち、まるでピッチ上で“迷子”となっているような時間帯もあったのは、目を背けられない。

 本来、攻撃的なオプションでありながら「攻撃時に、(前線の選手が)1枚足りなかった」とMF長谷部が振り返るように、引いた相手に手こずり続けた。DF内田が「3‐4‐3は悪くなかった。むしろ後半に前に出て行けないのが問題」と語るように、90分間の不発ぶりも深刻だが、DF吉田とDF今野が積極的にボールを持ち上がるなど、攻撃に重きを置いた布陣ながら、現状では攻撃オプションとしての機能性は見えてこない。

 指揮官は「親善試合で結果が最重要でない限りオプションを試すことは良いこと」と継続性を訴えれば、内田も「実戦で場数を踏めば良くなってくると思う」。だが、W杯本大会までの時間を考えれば未成熟度は気がかりだ。

 5日後にはW杯切符のかかった大一番。「今日の結果がうれしいわけはないが、ウチの選手はやるときはやってくれると信じている」と指揮官。敗戦の糧を、歓喜につなげられるか。

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