アギーレ日本4発開幕!史上最多V5へ
「アジア杯・1次リーグ、日本4-0パレスチナ」(12日、ニューカッスル)
1次リーグD組の日本はパレスチナを4-0で下し2大会連続、史上最多を更新する5度目の優勝へ向けて好発進した。前半8分にMF遠藤保仁(34)=G大阪=が先制点を挙げ、同25分にFW岡崎慎司(28)=シュツットガルト=が追加点。同44分にはFW本田圭佑(28)=ACミラン=がPKを決めた。それでも選手は内容には満足せず。スペイン1部リーグ時代の八百長関与疑惑の渦中にあるハビエル・アギーレ監督(56)も次戦へ向けて、修正を口にした。
試合後のピッチに漂う消化不良感が、むしろ頼もしくも見えた。5度目のアジア制覇に向けて4-0の大勝発進ながら、終了時に選手が浮かべる表情は、満足や達成感からはほど遠いものだった。
何よりも求められる結果は完勝だった。前半8分にMF遠藤のミドル弾で先制。前半だけで3得点を奪うと、後半4分にはセットプレーからDF吉田のヘッドで加点し、選手を入れ替えた。守備面でも無失点で、警告はゼロ。格下が相手とはいえ、日本が出場した過去7大会の初戦は4引き分けを含めて6試合が1点差以内。初戦が優勝に向けた最初の関門ならば、満点に近いスタートと言える。
だが、主将のMF長谷部は「今日の試合で誰一人として満足はしてない」と険しい表情。MF遠藤も「この先、今日のようなゲームはない。切り替えていきたい」と話した。
直前合宿で入念に暑熱対策を進めてきた。この日の試合開始時の気温は22度。長谷部は「集中が途切れる暑さではなかった。(1次リーグの順位が)得失点差で決まることもある。もっともっと点を取るチャンスはあった」と反省を口にした。
厳しさを追求する背景にはアギーレ監督の選手操縦術がある。試合前のミーティングについて指揮官は「初戦が最も大事な試合。(選手は)早くプレーしたいとナーバスになる傾向があるが、落ち着いて行こうと伝えた」。細部は語らなかったが、FW岡崎は「緊張感を持たせる言葉をかけられた」と振り返る。
そして、アギーレ監督は「(直すべきところは)2、3日の練習でしっかり修正したい」とすぐに次戦へ目を向けた。チームに浸透する自己への厳しさこそが、タイトルを守るべく戦う王者のプライドだ。