JFA世界中にスカウト網張る
日本サッカー協会が20年東京五輪に向けた強化策の一環として、海外に新たなスカウティングネットワークを構築していく考えであることが26日、明らかになった。米プロリーグMLSのドラフト会議でトロントから1巡目指名を受けたMF遠藤翼(22)のように、独自ルートで海外に渡る選手も増えてきた。協会幹部は「グローバルな時代になってきているのでアンテナを張る必要がある」と説明。世界中に網を張り巡らし、自国開催となる東京五輪での躍進につなげる方針だ。
メダル獲得が至上命令となる20年東京五輪に向けた強化策の一環として、日本協会が世界中にスカウト網を張り巡らせる。
14日に行われたMLSのドラフト会議では、メリーランド大のMF遠藤翼(22)がトロントから全体9位となる1巡目で指名を受けた。93年生まれの遠藤はU-23代表主将のMF遠藤(浦和)やFW久保(ヤングボーイズ)らと同い年でリオ五輪世代にあたる。日本協会幹部は遠藤について「ノーマークだった。どこでブレークするか分からないし、五輪本大会でもチャンスはある」とした上で「グローバルな時代になってきているので、アンテナを張っていく必要がある」と、海外でのスカウティング・ネットワークを強化していく考えを示した。
遠藤がJFAアカデミー福島から米国へ渡ったように、Jリーグの下部組織や国内の高校、大学などを経ず、別ルートをたどって海外でプレーする選手が増えており、東京五輪世代も例外ではない。
フランス1部ロリアンの下部組織に所属する日仏ハーフのGK山口瑠伊(17)はFC東京U-18を退団して渡仏した。イングランド・プレミアリーグ・トットナムの下部組織に所属する日英ハーフのMFサイ・ゴダード(18)は英国生まれ。ドイツ1部シャルケ下部組織のFW伊藤遼哉(17)は日本生まれながら幼少期に海を渡っている。
日本協会も彼らを世代別代表に招集するなど継続的に追跡しているが、さらなる才能を埋もれさせないように緻密な情報網を構築し、自国開催となる五輪での躍進につなげる。