なでしこ決勝進出 土壇場PKで逆転
「アルガルベ杯・1次リーグ、スウェーデン1-2日本」(10日、ファロ)
最終戦が行われ、B組の日本代表「なでしこジャパン」はスウェーデンに2‐1で逆転勝ちして2勝1分けの勝ち点7で1位となり、2年ぶりに決勝に進出した。12日の決勝で初制覇を懸け、2年前に敗れたA組1位のドイツと対戦する。
W杯女王の勝負強さを発揮した逆転劇だった。1‐1の後半44分、土壇場で得たPK。なでしこジャパンが決勝に進出するためには勝利が不可欠だった。キッカーのMF宮間主将は「重圧はあったが、みんなの思いを込めて蹴った」。右足で左下を狙った鋭いキックがGKの手をはじき、ゴールに吸い込まれた。
前線からの守備でスウェーデンに自由を与えず、ボールを持てば大儀見や川澄を軸に滑らかに攻め立てる展開だった。その中で前半終了間際の嫌な時間帯に失点したが、女子W杯やロンドン五輪で修羅場をくぐった選手たちは動揺しなかった。
後半4分、FW大儀見が相手のバックパスが乱れたところを突いて同点ゴール。追加点が遠かったが焦らずに攻撃を仕掛け続け、PK獲得につなげた。ベテラン中心の常連メンバーに大一番を託した佐々木監督は「この選手たちは勝負の嗅覚があるし、流れを読むところが体に染み込んでいる」とうなった。
試合前の円陣で、宮間は「ここには優勝しにきている。みんなで頑張ろう」と声を掛け、イレブンの心をまとめた。初優勝を懸け、2年前の決勝や昨年の欧州遠征で敗れたドイツに挑む。頼れる背番号8は「ドイツには悔しい思いをさせられている。勝って(W杯女王の)面目を保ちたい」と気合十分に話した。