初選出MF猶本、澤からプレー盗む
日本サッカー協会は2日、ニュージーランド代表との親善試合(8日、大阪・金鳥スタジアム)と、来年のW杯カナダ大会の予選を兼ねた女子アジア杯(14日開幕、ベトナム)に臨むメンバー23人を発表した。なでしこリーグ首位の浦和からは、12年に日本で開催されたU‐20女子W杯で活躍したMF猶本(なおもと)光(20)ら4人が初選出された。猶本は同じボランチの大先輩、澤穂希(35)=INAC神戸=との出場を誓った。
ヤングなでしこの“美少女ボランチ”として名をはせたU‐20女子W杯から約2年。猶本がA代表にたどりついた。通学する筑波大から、さいたま市内の練習場へ駆けつけると、「連絡を取ってなかった人からもメールが来ました」とはにかんだ。
なでしこのボランチには、澤が絶対的存在として君臨している。猶本にとって「ライバルと思ったことはないです」という偉大な存在だが、「試合には絡みたい。プレーとかをどんどん吸収して、もっと成長できるようにしたい」と、何かを盗もうと考えている。
昨年は苦しんだ1年だった。クラブではリーグ戦への出場は4試合にとどまった。同年10月に主将として挑んだU‐19アジア選手権では今年開催のU‐20W杯出場を逃し、人目をはばからず涙した。
「得点を取らなければチームに貢献できない」と意識を変えた。3月のラ・マンガ国際大会(スペイン)には腰痛のため出場できなかったが、開幕までにコンディションを整え、開幕戦2得点でINAC神戸に土をつけた。
佐々木監督の評価も「(浦和)レッズの5連勝の躍進につながるだけの仕事をしている」と高い。新たなステージへ、猶本は「初めてづくしですけど、それを楽しみたい」と希望に胸を膨らませた。