なでしこ連覇王手!ベトナムに完封勝利

 「アジア大会・サッカー女子・準決勝、日本3-0ベトナム」(29日、仁川)

 2連覇を狙う日本はベトナムに3-0で快勝し、10月1日の決勝で北朝鮮と対戦する。前半24分にゴール前のこぼれ球をMF阪口夢穂(26)=日テレ=が冷静に決めて先制すると、後半にはDF長船加奈(24)=仙台、FW菅沢優衣香(23)=千葉=が追加点。佐々木則夫監督(56)の通算100試合目となったメモリアルな一戦を飾った。北朝鮮は、終了間際に決勝点を挙げて韓国に2-1で逆転勝ちした。

 なでしこは負けない。佐々木監督にとって、通算100試合目の指揮となった記念すべき一戦を快勝で飾り、3大会連続の決勝進出。10年大会に続く連覇へ王手をかけた。

 指揮官が「選手たちはイメージ通りの試合をしてくれた」と賛辞を送った試合の口火を切ったのは、佐々木体制を初戦から知るMF阪口だ。前半24分、右サイドからMF宮間主将のクロスを相手GKがパンチングしたボールが足元に。「ボールが来てくれた感じ。決められて良かった」と、冷静にゴールを揺らした。

 これで今大会チームトップタイの5得点目。「ヤバイ。何かおかしい。代表ではあまり取らない方なんで」と苦笑いしたが、なでしこジャパンの通算得点26点で、歴代10位タイに浮上した。

 足掛け約7年に及ぶ“佐々木なでしこ”の申し子的な存在。指揮官の100試合目ということには「そうなんですか?すいません、全く意識してなかった。勝って良かったです。長いっすね。100もやってるんですか?」と素っ気ないふりをしたが、監督への信頼は厚い。

 「時に厳しく、時に優しく。アメとムチの使い方が上手な監督だと思う。若手のころは練習で怒鳴られたこともあった。でも優しい時はお父さんみたい。ギャップがあって、人としての魅力がある」と、確かな“絆”を感じさせた。

 チームとしてもメモリアルな一戦を記録づくめで飾った。この日も完封で飾り、連続無失点試合7試合は歴代1位タイ。12戦無敗も単独歴代2位となった。ただ、目標はあくまで頂点のみ。「ファイナルでいいパフォーマンスを出して、金メダルを獲って日本に帰ることができれば、それがある意味、僕の節目になる」と佐々木監督。101試合目-。新たな一歩は、金色で彩ってみせる。

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