田中INAC復帰へ 皇后杯獲得目指す

 サッカー女子のドイツ1部リーグ、フランクフルトを退団した女子日本代表MF田中明日菜(26)が、古巣のINAC神戸に復帰することが28日、決定的となった。文弘宣会長が明らかにした。クラブ関係者によると既にドイツサッカー連盟に対して国際移籍証明書(ITC)の発行を依頼。29日が期限の皇后杯(11月29日開幕)の選手登録に間に合わせ、事実上の今季残された最後のタイトル獲得を目指す。チームは28日、熊田喜則新監督(53)が、神戸市内で就任後初めて練習を指導した。

 今季無冠の危機にあるINAC神戸の動きは素早かった。フランクフルトは27日、「個人的な理由」により15年6月30日まで残っていた田中との契約解除に合意したと公式HPで発表。これを受け、事態は急展開した。

 INAC神戸関係者によると、クラブは既に日本復帰を望む田中の意思を確認しており、日本サッカー協会を通じてドイツサッカー連盟に対してITCの発行を依頼。日本代表のカナダ遠征から帰国後、田中と契約を結ぶ予定だ。

 INAC神戸は今季、なでしこリーグ・エキサイティングシリーズの上位リーグで、首位浦和と勝ち点10差の5位と4連覇は絶望的。ボランチとセンターバックをこなす田中が復帰すれば、残された最後のタイトルとなる皇后杯獲得に向けて大きな補強となる。問題は29日に迫った同大会の選手登録期限に、ITC発行が間に合うかどうかだ。

 田中は昨季途中、2年契約でINAC神戸からフランクフルトに完全移籍したが、公式戦27試合出場と出番に恵まれなかった。遠征先のカナダで「(フランクフルトとの)契約は残っていたが、日本でプレーしたいと思った。いろいろ経験できたことはプラスになったが、もっと試合をしたい」と説明。連覇を目指す15年女子W杯へ、古巣で再スタートを切る。

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